海外で活躍の県出身3人が配信対談「スキル組み合わせ年収は数倍に」

 

 鶴渕「今働いている職場で何が培われているのか、という点に自覚的になるのはすごく大事ですよね。僕自身は前職が日本の開発コンサルタント会社で、インドネシアで7年間働いていました。日本人としてのおもてなしの心や、沖縄人としてのいちゃりばちょーでー、なんくるないさの精神を受け継いだ上での国際人になろうと臨んで、イラクで働いています。それが今、功を奏しています。国際機関で働く人は上昇志向が強く、議論でも『言い負かしたら勝ち』みたいな風潮があるんですよ。そんな中で僕は、議論を上手く調整してまとめていく、ということが得意で、重要なポジションを任されるまでになりました。何が培われているのかを知ることは大切だと思います」

 金城「ビジネスの分野でも、空気読んだり、顔色をうかがったりできない人は脱落していきます。(沖縄の人も活躍が)できると思うんですよね」

 仲村「自分の話をすると、僕は大学時代に英語が好きで、英検1級を取りました。だけど、英検1級を持っている人なんか日本中にたくさんいるじゃないですか。で、次に何をしたかというと、大型自動車免許を取ったんです。危険物取扱者の資格も取りました。当時、大学生でこの3つを同時に持っていたのって多分僕一人しかいなかったと思います。そのおかげで、卒業後は米軍基地内の消防署に一発で受かることができました。自分のオリジナリティは、いろんなスキルを組み合わせることでより強大なものにできます」

恐れずに「積極的に失敗を」

 視聴者からは「これから海外を目指す方に何かアドバイスを」との質問も寄せられた。

 鶴渕「海外で恐れず、積極的に失敗を経験してほしいです。その失敗が自分の図太さを作っていくと思います。何でもやった方が良いですよね」

 金城「韓国に留学していたのですが、振り返ってみて僕が一番誇れることは『外国で自炊したこと』なんですよ。寮に入った訳でもホームステイした訳でもなく、家賃交渉も自分でやって電気やネットも自分で手配して、床暖房の業者も自分で選びました。その経験ではアフリカでもどこでも応用できています。どこに行っても何とかなるという思いの根源は、韓国でのこの時の経験にあります」

 仲村「今の時代、海外に行くこと時代は簡単なんですよ。海外に行くことが目標であってはならない。海外で何をしたいか、何を得たいかが目標であるべきです。自分と対話を深めて、何がしたいかを考えることが大切です」

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長濱 良起

投稿者記事一覧

フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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