川崎沖縄県人会発足100年間近 川崎に沖縄県民が集まった理由

 

 沖縄県出身者が県外で生活をする際に拠り所となってきた「沖縄県人会」。沖縄県の資料によると、北海道から鹿児島まで33の県人会がある。その中でも比較的規模が大きく、一般財団法人としても活動しているのが神奈川県川崎市の「川崎沖縄県人会」だ。3年後に発足100年を迎える同県人会。“まだ県外に馴染めなかった”県出身者同士が就職あっせんなどで身を寄せ合っていた時代を越えて、現在はイベントを積極的に行うなどして沖縄と川崎との交流の入り口となっている。

駅前に巨大な石敢當がある理由

 川崎市内では、時折沖縄を感じさせる風景がある。川崎駅を降りるとすぐに、沖縄でもなかなかお目にかかることはないであろう巨大な石敢當が現れる。

 この巨大石敢當は、1959年に死者47人、島の7割の家屋が損壊するなど大きな被害を出した「宮古島台風」に対して、川崎市民が385万円もの義援金を贈ってくれた返礼に由来している。宮古島産の大理石の一種・トラバーチンに石敢當を刻み込み、1970年に建立された。駅前の人通りの多い地域に「交通安全祈願」として、沖縄の石敢當とは少し違った趣で、川崎市民の“魔除け”となっている。

立ち並ぶ沖縄関係の店

 川崎市街を歩いていると、沖縄料理店なども多く目にすることができる。

紡績工員としての移住が歴史の始まり

 川崎沖縄県人会は、人口154万人の川崎市の中心部から徒歩圏内にある。3階建ての「川崎沖縄県人会館」は、ホールや和室などをそろえており、沖縄の赤瓦をイメージさせる外観も印象的だ。会館まで擁する県人会は珍しい。

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宮古毎日新聞

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