第一級史料をいつでもどこでも 琉球外交史をデジタル化して公開

 
琉球王国交流史・近代沖縄史料デジタルアーカイブのトップページ(スクリーンショット)

 沖縄県教育委員会が琉球王国の外交文書集『歴代宝案』を中心とした歴史資料と、沖縄戦で失われた近代沖縄の新聞の見出しをまとめたデジタルアーカイブを12月14日から公開している。

 18日に公開を記念したミニシンポジウムが開かれ、『歴代宝案』の編纂に携わる関係者がデジタルアーカイブについて解説した。登壇した名桜大学教授の赤嶺守さんは「世界的にみても大変珍しい東南アジア諸国などを含む琉球の交流史の一級史料に時間や場所を問わず直に触れられるのは画期的なことです」とデジタル化の意義を強調した。

琉球外交史を紐解く『歴代宝案』とは

 『歴代宝案』は1424年から1867年の444年間にわたる期間の外交文書で、琉球側から送った文書と中国を中心とする諸外国から送られた文書の写しが収録されており、琉球王国の歴史を物語る貴重な史料だ。

 しかし、その原本は明治政府による接収や焼失、そして沖縄戦で失われてしまっており、残されていた写本・影印本(写真複製本)とさまざまな史料を照らし合わせながら史料の精度を高める編集事業が1989年から続いている。

書籍版の『歴代宝案』

 今回公開されたデジタルアーカイブでは、この『歴代宝案』の漢文表記の「校訂本」データ4842件をPDFで、読み下し文にした「訳注本」データ4355件をPDFとtxtデータで公開し、検索もできるようになった

 加えて、関連する参考資料として琉球中国交渉史についてのシンポジウム論文集や研究論文集、さらには明・清朝(ともにかつての中国)の琉球に関する行政規定をおさめた法典(明会典・清会典)も同時に公開している。また、交流史資料を知るための“入門”的なコラムも順次更新しており、『歴代宝案』についての基本的な情報が紹介されている。

 新聞資料については、1898年~1914年の見出しのみ約25万件を先行公開している。今後画像データと紐づけて記事を閲覧できるようにするなど、拡充していく予定だという。

 デジタルアーカイブの概要について説明した県教育庁文化財課史料編集班の山田浩世さんは「今後も順次内容は増やしていきます。生の歴史にいつでもどこからでも、誰でも触れられるようにしていきたいです」と話した。

Print Friendly, PDF & Email
次ページ:

1

2

関連記事

おすすめ記事

  1.  慰霊の日が近づくと、沖縄戦を語り継ぐことの大切さが毎年のように課題として挙げられる。戦後…
  2.  7月10日投開票の参議院議員選挙が22日、公示される。沖縄選挙区は現職の伊波洋一氏(70…
  3.  「月桃ゆれて 花咲けば 夏のたよりは 南風」-。鎮魂や反戦、平和への願いを込めた海勢頭豊…
  4.  国際通りの真ん中に位置するビル。エレベータを降りて2、3歩足を進めると、100席余のテー…
  5.  求人サイト「オキナビ」の運営などを行う株式会社プロアライアンス(大城佑斗代表)と沖縄県内…

特集記事

  1. 県庁
     今後10年の沖縄振興の指針となる新たな振興計画「新・沖縄21世紀ビジョン基本計画」(第6…
  2.  5月15日に東京と沖縄をオンラインで繋いで開かれた「沖縄復帰50周年記念式典」。壇上の大…
  3. 「沖縄県だけ特別措置を作ってもらっている現状をどう認識するのか。復帰50年を過ぎてもまだ国…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ