市制50年 糸満市長インタビュー 物流地区開発で産業誘致本腰

 

 12月1日で市制施行50年を迎えた沖縄本島最南端の糸満市。独特の旧暦文化など伝統を重んじながら、近年では急速に交通インフラ整備や都市開発も進む。市北西部の臨海地・西崎地区の工業団地には多くの企業が集積し、開発が進む市南西部の真栄里地区では物流団地としての工事が2025年ごろ着工されるなど、今後の発展が見込まれる。

 そんな糸満市の展望や地域の魅力について、當銘真栄市長に聞いた。

糸満市の概要

 1961年に当時の糸満町・兼城村・高嶺村・三和村が合併して誕生した糸満町が、それから10年後の1971年に現在の糸満市となった。人口は約6万人。古くから漁業が盛んで「海人(うみんちゅ)の町として名を馳せてきた。旧暦5月4日に行われる爬竜船レース「糸満ハーレー」は、港町文化を象徴する伝統行事だ。

 また、沖縄戦の激戦地としても知られ、沖縄県平和祈念資料館や平和の礎を含む「沖縄戦跡国定公園」や、ひめゆり平和祈念資料館、多くの慰霊碑など、戦争の記憶を後世に残し平和を希求する心の発信地ともなっている。

糸満漁港と周辺の街並み

「さまざまな産業を全国・全県から誘致」

―市制施行50周年おめでとうございます。當銘市長ご自身の思う糸満市の魅力とはなんでしょうか。

「糸満市は、旧暦行事を大切にする地域性と古いたたずまいが色濃く残る町です。先人たちが築き上げた海人文化や歴史、伝統を大切にしています。一番の良さはなにより人の温かみだと思います。老若男女みんなが寄り添い合って街を築き上げる力があるのが糸満市の良さです」

―文部科学省が掲げる、児童生徒に1台ずつパソコンを配布して高速ネット環境を整えるGIGAスクール構想の実現にも積極的です。

「家庭の所得に関わらず、子どもたちみんなに通信網をしっかり整備してパソコンを使った授業ができるような環境を作らないといけません。市内複数の小中学校をモデル校として、専門の人を配置したり、校長会での視察研修に取り組んだりしています。またいつ新型コロナの第6波が来るのか分かりませんので、その時に向けても学びの保障に向けた対策が必要です」

―真栄里地区の物流団地の整備も、市長選出馬時の重要施策に位置付けていました。真栄里地区は今後、市の中心地となりうるのでしょうか。

「今後の糸満市の中心を担っていくことになると思います。高台に位置しているので、津波などの災害時に備えて、最終的には公共施設を集約していきたいと考えています。市役所は災害対策本部としての役目をしっかり果たさないといけませんから」

「前市政から続く真栄里物流団地の構想については、沖縄県も(糸満市から宜野湾市にかけての5市とうるま市・沖縄市の一部を)国際物流拠点産業集積地域として目を向けているので、物流を含めたさまざまな産業を全国・全県から誘致したいと考えています。企業からの問い合わせも増えてきていると聞いています」

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