16年ぶり選挙戦の本部町長選、平良氏が再選 大宜味は友寄氏、伊是名は奥間氏

 
本部町長選で再選を果たした平良武康氏

 沖縄県知事選や市町村議選などが一斉に行われた9月11日、本部町、大宜味村、伊是名村の3町長選の投開票がそれぞれ行われた。

平良氏「町民生活第一主義」

 沖縄美ら海水族館など、全国的にも有名なスポットが多く観光客が足を運ぶ機会も多い本部町。16年ぶりの選挙戦となった町長選は、2期目を目指す無所属現職の平良武康氏(72)が4,256票を得て再選した。無所属新人で前町議の真部卓也氏(41)=自民推薦=に1,211票差を付けた。投票率は69.87%。

 完全無所属の“町民党”を掲げ「町民生活第一主義」をキャッチフレーズに掲げた平良氏は、県職員37年、副町長7年、町長4年という豊富な行政経験を背景に、経済振興や子ども支援、福祉の充実を軸に政策を固め、評価された形だ。従来型の観光地ではなく、包括的に他産業への波及を目指す観光の在り方として、「町内丸ごとテーマパーク構想」を前面に掲げていた。

 一方の真部氏は、国からの財源確保で経済振興や地域活性を訴え、医療や福祉にも力を入れていく考えを示したが、及ばなかった。

■開票結果

平良武康 4256票 無・現
真部卓也 3045票 無・新

平良武康(たいら・たけやす)1950年2月15日生まれ。本部町謝花出身。北部農林高校、名城大卒。1973年に県庁に入庁し、北部農業改良普及センターや県立農業大学校校長などを歴任。2011年に本部町副町長に就任し、2018年から現職。

友寄氏が現職破る 大宜味村

 NHK連続ドラマ『ちむどんどん』の舞台であるやんばる地域の一角をなす大宜味村では、無所属新人の前村議・友寄景善氏(67)が現職らを退けて初当選、8年ぶりの選挙戦を制した。3選を目指した無所属現職の宮城功光氏(71)、無所属新人で前村議会副議長の安里重和氏(62)は及ばなかった。

 友寄氏は大宜味村経済課長や教育長を歴任し、2018年から村議を務めた。現町政に対しては地元紙などで「事業進行が不透明で、強引だ」と村政刷新を訴えていた。

■開票結果

友寄景善 804票 無・新

宮城功光 772票 無・現

安里重和 351票 無・新

前副村長の奥間氏が新人対決制す 伊是名村

 沖縄本島の北西に位置する伊是名島の伊是名村でも村長選が行われた。無所属新人で前副村長の奥間守氏(68)が、同じく無所属新人で前村議の前田清氏(58)を破って初当選。新人同士の一騎打ちを制した。投票率は91.72%で、島民の関心の高さを物語った。

 奥間氏は移住定住の促進や、子育て世代への支援を重点政策に掲げている。

■開票結果

奥間守 608票 無・新

前田清 333票 無・新

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長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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