沖縄SV、枚方に引き分け 終了間際に追いつかれ 攻撃面に課題

 
サイドから攻撃を仕掛ける沖縄SVの20番冨久田和真(左端)

 サッカー日本フットボールリーグ(JFL)15チーム中14位の沖縄SVは11日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで今季第10戦を行い、5位のFCティアモ枚方(大阪府)に1ー1で引き分けた。後半3分に秋本和希が右足で先制し、試合終了間際までリードを保ったものの、追加点を奪えないまま後半44分に失点を許し、ホーム戦3勝目とはならなかった。2勝2分6敗で勝ち点8。暫定順位は14位のまま。

途中出場秋本の先制弾

 前半、沖縄SVはサイドからの攻撃やセットプレーから糸口をつかもうとするも、相手守備に対して思うように攻めることができず、決定機を作れない苦しい状況が続き、シュート数は0本。一方で小田島怜、鯉沼晃、米澤哲哉の3バックによる堅実な守りやMF大城佑斗の身体を張った奪取など好プレーなどで、両チームとも守備的な展開を保ったまま0-0で折り返した。

 ついに試合が動いたのは後半3分。敵陣ゴール前で相手DFに当たってこぼれたボールを後半から出場のMF秋本和希がゴール左下に押し込んだ。「ダイレクトで打とうかトラップしてから打とうか迷いましたが、トラップした時に、ファーサイドに空いたコースが見えました」と振り返るのは、リーグ戦では自身2年ぶりとなるゴールだった。

秋本和希(右端)が放ったシュートは相手DF陣の間を縫ってゴールへ

 1点を取ってからの沖縄SVは徐々にリズムをつかんでいき、後半11分には自陣ペナルティエリアで奪取したボールをのべ7人でつなぐカウンターで攻勢をかけるも、シュートは惜しくも枠の外。暫定5位で格上とも言える相手を圧倒した場面に客席からは拍手が送られた。

 しかし沖縄SVは1-0のまま追加点を奪えない。後半23分には枚方がFW3人全員を一新し運動量でもスパートをかける。このまま勝利かと思われた後半44分。スルーパスに反応した枚方のFW加倉広海がニアサイドに柔らかく押し込み同点に。サポーターも最後まで諦めずにチャント(応援歌)の声を張り上げたものの、そのまま終了のホイッスルとなった。

課題は得点力にあり

 試合後、沖縄SVの髙原直泰選手兼監督が特に課題に挙げていたのは、攻撃面だ。この試合を終えてシーズンでの総得点が5点と、リーグ最下位にとどまっている。「突破するまではできているが『ここでボールをつなげたら決定機が生まれる、シュートが打てる』という意識が他のチームと比べるとことごとく低い。ゴール前で怖がっている。クロスを例に挙げると、本当に味方に決めてもらいたいと思ってクロスを上げているのかというボールの勢いだ。そこの意識をまず変えないといけない」と話す。守備面では各選手が一丸となった“連携した守備”を確立させていく。

沖縄SVの髙原直泰選手兼監督

「勝ち点3を取れなかったのは残念でしたが、負けたわけではないので、しっかりと次の試合につながっていくものになる」と18日の次戦・ヴィアティン三重(9位)とのアウェー戦を見据える。

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長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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