FC琉球が公開練習 野田主将「自分たちも変わっていく」
- 2023/5/19
- エンタメ・スポーツ
サッカーJ3のFC琉球は18日、練習拠点としている八重瀬町スポーツ観光交流施設でファン向けの公開練習を行った。沖縄地方の梅雨入り宣言がされたこの日午前、強い風の中で横殴りの雨も時折降ってくる中、FC琉球の選手らは4組に分かれてミニコートを使ったゴール前の攻防の練習などに励んだ。練習終了後は同施設管理棟テラスから見守っていたファンに向かって1列に並んで敬意を示し、野田隆之介主将が「チーム・監督が代わって、自分たちも変わっていきます。これからも応援よろしくお願いします」と礼を述べた。選手がファンへのサインに応じるなど、交流する姿も見られた。
“暫定指揮官”喜名氏 天皇杯に向け「攻撃に躍動感を」
今シーズンからJ3へとカテゴリーを落としたFC琉球は「1年でのJ2復帰」を掲げている中、20チーム中17位と低迷しており、15日付けで倉貫一毅監督との契約を解除。後任が決まるまでは、喜名哲裕スポーツダイレクター補佐が監督として暫定的に指揮を執る。
2021年10月から翌22年6月まで監督を務めていた喜名氏は、選手らと明るくコミュニケーションを取りながら練習に取り組む姿が印象的だ。
喜名氏はチームの弱点の一つとして「これまでは、ミスをしてもお互い人任せにしていた空気感があった」と挙げつつも「ミーティングでは選手の方から積極的に意見を出していました」と話すなど、チームとしての一体感が向上している点を述べた。練習を公開することで「選手としても『やらなきゃ』という気持ちが強まると思います」とその効能を語る。
21日には天皇杯の第一ラウンドが始まる。「攻撃に関しては躍動感に欠けている部分があります。お客さんはやっぱりゴールを奪う場面を見たいはずです。守備に関しては、体を寄せてOKではなく、ボールを奪いに行くということをやらないといけない」と話し、攻守共に積極的なプレーを目指す。
野田主将、公開練習「毎日しても良いのでは」
野田主将は勝利に向けて「練習の強度を変えていくことが今の僕たちには必要だと思っています。今日の練習ではその辺をみんな意識してできていたと思います」と総括。「(技術的に)できる選手はたくさんいて、あとは頭(マインド)の問題だと思うので、この強度を毎分毎秒続けていった先に優勝があると思います」と、精神面の重要さを強調した。
ファンに公開する形での練習については「毎日しても良いのではと思っています。試合の前日などの戦術的な練習の時は非公開でも良いと思いますが、普段の練習は来て見てもらえるととてもうれしいです」と話した。
目指す「ONE OKINAWA」
FC琉球は今シーズンのスローガンとして「ONE OKINAWA」を掲げている。「1点をもぎ取り No.1を勝ち取る。沖縄が1つになるような奇跡をもう1度起こしていく」という意味を込めた。
サポーターからは、選手のモチベーションやクラブの集客力アップにつなげるために、練習の原則公開を求める声も聞かれる。フロント、選手、サポーター、地域が一体となれる雰囲気作りの場として、練習場をどのように活用していくかにも注目が集まりそうだ。
全38試合中10試合を終えた時点で3勝1分6敗と、不甲斐ない現状を突き付けられる中、昨シーズンまでJ2だったFC琉球は意地を見せられるか。サポーターの目が光る。