南米のサッカー名門クラブで指導者、五輪で通訳も 県出身平安山さん
- 2020/10/13
- エンタメ・スポーツ
沖縄を飛び出て、サッカー大国・南米の名門クラブチームで指導経験を積み、指導者、通訳として国内外で活躍する県出身者がいる。名護市出身の平安山良太さん(30)だ。
独学で4ヶ国語を身につけ、ポルトガル語とスペイン語でサッカー指導経験がある他、ブラジルW杯やリオ五輪では現地メディアのアテンドとしても活躍した。
ブラジルやアルゼンチンの名門クラブの育成方法やクラブ経営、指導、食育などノウハウを日本国内に還元し、プロ指導者の世界で奮闘している。
選手ではない形でのサッカーの道
平安山さんは名護市出身の1990年生まれ。小学4年でサッカーを始め、地区選抜に入るも、膝を負傷した。中学3年間は長いリハビリ生活、栄養失調による通院を繰り返すなど波乱万丈な幼少期を送ってきた。
高校2年生でサッカーに復帰するも、体力的にも能力的にも衰えを感じ、選手ではない形でのサッカーの道を志した。
ブラジルで南米の育成方法を学び、プロ指導者の世界へ
平安山さんは中京大学体育学部に進学、サッカー部で学生コーチとなり、大学4年で名古屋グランパスU12のアシスタントコーチとなり、卒業後は更なる成長を志し海外へ飛び出た。
留学先はサッカー大国・南米のブラジル。海外の中でもかなり治安が悪いブラジルは強盗、殺人、スリが日常茶飯事。平安山さんは、留学会社を使うことで、生活上の安全性を守ってもらいながら、ブラジルのセミプロクラブへ留学した。
心がけていたのは「進んで仕事をやり、人としての信頼を得る努力をする」こと。
信頼を積み重ねていくうちに、セミプロクラブと提携しているブラジル1部リーグの名門クラブ、アトレチコ・パラナエンセU14での研修、FIFAクラブワールドカップで2度の優勝を誇るSCコリンチャンス育成部でアシスタントコーチとなり、練習の準備や審判以外に指導も少しずつ任されていった。
さらに、ブラジル1部の名門クラブのアヴァイFC育成部やECバイーア育成部などでアシスタントコーチとして指導経験を積み、サッカー界の英雄メッシを育てたことで有名なアルゼンチン1部のクラブ、ニューウェルスにお金を払って研修を受けるなど貪欲に学び、ブラジルやアルゼンチン代表など世界で活躍する選手の育成方法を学んできた。
同時に日本サッカーに還元する際のメリットやデメリットも常に考えてきた。