市制50年 糸満市長インタビュー 物流地区開発で産業誘致本腰

 

スポーツツーリズムも強化、若い就農者増

―市内各地域の展望についてお聞かせください。

「真栄里地区の南に隣接する名城地区でも、MICEも可能な大型リゾートホテルが建設中です。経済効果は大きいと期待しています。観光も含めて糸満に滞在してもらい、地産地消で糸満の農産物や水産物を楽しんでもらうと、地元の第一次産業も潤います」

「西崎地区へのスポーツツーリズム誘致も強化しています。プロチームや大学チームなども含めて、キャンプ地のメッカを目指していきたいです。サッカーのFC東京やベガルタ仙台のキャンプが行われているほか、来年2月からはプロ野球千葉ロッテマリーンズの2次キャンプも決まっています。市内の子どもから大人まで、競技力向上や健康増進だけでなく、宿泊施設利用や交通移動などさまざまな産業への波及効果につながります」

―今後の観光施策についてはどのような取り組みをしていますか。

「やはり、糸満といえば、イコール海の町、というイメージがあると思います。そういったイメージを生かして、帆掛サバニで糸満から渡嘉敷島まで乗船体験をするモニターツアーを実施しています。このような体験型観光を通して糸満の文化を発信していこうと取り組んでいます」

「(市南端部の)喜屋武岬から荒崎にかけての景観を生かした遊歩道整備もできないかと構想しています。海岸線をぐるりと回る県道『平和の道線』が早期整備できると、琉球石灰岩やサンセットなど素晴らしい環境を見てもらえると思います」

―糸満市は農業も盛んなイメージがあります。

「若い農業従事者や脱サラして農業に転身した人も増えていて盛り上がっています。地下ダムが整備されていて水が豊富に使えるんですよね。お互い競い合って農家の所得向上にもつながっているようです。レタスやニンジン、マンゴー、肉用牛などが拠点産地となっています。若い農業生産者が出てきたというのは『農業に魅力が出てきた』という非常に大きな意味を持つと思います」

―糸満市の将来を、どのように描いていますか。

「笑いが絶えない地域にしていきたいです。これまで先人たちが作り上げてきた市制50年も含めた歴史のおかげで今があります。みんなで明るい未来をつくるために市の将来像を『つながりを深めチャレンジするまち糸満市』と掲げています。市民のみなさんにもいろんなことを提案してもらって、100年後も笑いの絶えない住みやすい糸満市にしたいと思っています」

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長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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