【沖縄復帰50年式典】ラーム・エマニュエル米国駐日大使・来賓挨拶全文

 

 15日に沖縄と東京の2会場をオンラインで結んで開催された「沖縄復帰50周年記念式典」。東京会場で来賓として出席したラーム・エマニュエル米国駐日大使の挨拶全文を紹介する。


 天皇皇后両陛下、岸田首相、玉城知事、ご来賓の皆様、そして沖縄県民の皆様、本日はこのような歴史的行事を記念するために、皆様方とご一緒でき、光栄に存じます。

 日米両国は長い道のりを共に歩んできました。かつて戦場で苛烈な敵同士であった我々は、今では平和を推進する最も緊密な同盟関係を築いています。

 50年前、日米は転機を迎えていました。世界の民主主義国家が共産主義の蔓延を防ぐために結束する中で、沖縄は日本に復帰しました。この復帰は国家主権と民主主義プロセスを支援しました。その後、日米の同盟と友情は沖縄県民の貢献により、さらに強固になりました。

ロシアの侵攻を例に「自由は無償ではない」

 今、世界は再び抑圧と露骨な力を行使して覇権を手に入れようとする国家の脅威に直面しています。それを何よりも物語っているのが、ロシアのウクライナに対する違法で不当、そしていわれのない戦争です。我々は警戒を怠らず、一番大切にしているものを守らなければなりません。

 我々が共有する価値観と原則は、我々自身が守らなければなりません。自由は無償ではないのです。それぞれの世代が自由の根幹を維持し、強化するためにその代償を支払っています。我々の世代もまた、先人たちのように、自らが信じるものを守り、推進しなければなりません。

 日米が原則と価値観を守るために立ち上がっていることを誇りに思います。沖縄県民は、日本で特に声高にウクライナの人々のために立ち上がり、ロシアの戦争を非難しています。共に日米両国は侵略を阻止し、平和、安定、法の促進を通じて日米両国民とインド太平洋地域の防衛を確実なものにしています。

 私は先月、沖縄を訪問し、平和祈念資料館と平和祈念公園を訪れ、戦争がもたらす悲惨な犠牲を改めて実感しました。だからこそ、日米両国とその国民は何としてでも平和を守らなければなりません。我々は皆、そのような人類の努力に責任を負っているのです。

沖縄の高校生対象に奨学金プログラム設立

 また日米には沖縄において良き隣人、そしてパートナーになるという共通の関心があります。より良い未来を築くために、我々は教育や環境に関するパートナーシップを通じて、沖縄の人々への投資も行っています。

 未来への贈り物として、在日米国大使館・領事館が沖縄の高校生を対象とした2年間の英語学習奨学金プログラムを本年設立することをここに発表いたします。

 なぜ沖縄の若者を支援するのでしょうか。先日沖縄を訪れた際、我々の奨学金を受け、米国に留学する高校生に会いました。彼らのエネルギー、熱意、そして楽天的な視点に強い印象を受けました。明るい希望と可能性に満ちた未来に目を輝かせていました。

 同盟と言えば堅苦しく聞こえるかもしれませんが、高校生との交流は「同盟は単なる条約ではなく、人と人との友情であること」を私に教えてくれました。だからこそ、我々は沖縄の若者を支援するのです。彼ら自身の未来のため、そして我々が共有する運命のためにです。

 この歴史的な沖縄復帰50周年式典に、ジョー・バイデン大統領が沖縄の皆様に個人的なメッセージを送りました。大統領とアメリカ国民は、次の50年を見据えて、日本全国で友好関係をさらに深めるとともに、沖縄の繁栄に貢献していくことを願っております。

 ご清聴ありがとうございました。

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長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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