川崎沖縄県人会発足100年間近 川崎に沖縄県民が集まった理由

 

 会は1924年、関東大震災の翌年に発足した。その5年前、1919年には川崎の紡績工場に、沖縄から多くの行員が集まったことに事の始まりがある。その後も県人会を中心に、沖縄県出身者の就職あっせんや、沖縄芸能の舞台開催などで故郷を恋しく思う人々の気持ちに寄り添ってきた。

 現在の川崎市は韓国やインド、東南アジア諸国出身の人々が多く住み、外国食材の店なども目立つ。親戚や友人を頼って移り住みコミュニティを作っていったであろう彼ら彼女らの姿に、かつての沖縄県出身者の境遇を重ねることができる。

寄り合って生きていた時代から

 川崎沖縄県人会では、現在のところ約180世帯が会員となっている。新年会や敬老会の開催の他、ソフトボールやバレーボールなどのスポーツ大会を毎年主催しており、市内のチームが中心に集まる地域交流の場を作り出している。かつての県人会では沖縄角力大会も盛んに行われていた。

 今年5月に就任したばかりの金城宏淳会長(71)は、小学校に上がる前に川崎に移り住んできた。ほぼ完全に川崎育ちでありながら、いわゆる移住の「一世」だ。「30代までは自分も角力もやっていましたよ」と優しい語り口で当時を懐かしむ。

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