新世代、世界のウチナーンチュ 6)バンコクで旅行業管理職・中里姫さん

 

 アメリカ、アジア、日本国内、様々な文化の中で生まれ育った中里姫さん。その中でも沖縄のイチャレバチョーデー気質に感動した。ドバイの航空会社に客室乗務員として務め、現在はタイの旅行会社のマネージャーとして国際ビジネスの世界に身を置いた今でも「沖縄には相変わらず惹かれている」と話す。中里さんが国際的な仕事で活躍していく道のりや、文化や風習が違う国での生活、現在のビジネス環境とはどのようなものか。


  行政や民間が強化に取り組む「世界のウチナーネットワーク」。海外に飛び立った多くのウチナーンチュとどのように協力し発展していくべきか、沖縄県のベトナム、シンガポール委託駐在員を歴任した遠山光一郎さんが世界各地のウチナーンチュを紹介していきます。

インターナショナルスクールで

 中里さんはお父様の仕事の都合で、アメリカで生まれ8歳までロサンゼルスで過ごした。日本に帰国してからも、神奈川県、茨城県、そしてインドネシアのバリ島に数年ずつ移り住み沖縄へと移住した。アメリカや沖縄のインターナショナルスクールでは英語で教育を受けたが、家族とは日本語を話し、そしてインターナショナルスクールのホリデー期間は毎年1-2ヶ月程、日本の学校に通っていたため、日本語にも問題なく育った。

 国内外で様々な経験をしたが、沖縄では気候や住みやすさだけでなく、うちなーんちゅの温かさにとても感動した。

 沖縄ではインターナショナルスクールに通い、アメリカ人や様々な国のルールを持つ友人たちと一緒に学んだ。沖縄で驚いたのが、さまざまな国にルーツを持つインターナショナルスクールの友人たちと近所の家を訪ねても、いつでも温かく接してくれたことだ。てびちや沖縄そば、サーターアンダギー等を食べさせてもらったり、ムーチーの作り方を教えてもらったりと「近所というだけで本当の家族のように受け入れてもらったことに感動した」

エミレーツ航空のCAに

エミレーツ航空の同期の結婚式に参加する中里さん(右から2人目)

 「沖縄というアメリカ文化の入り混じった島で育ち、様々な経験をしてきた私だからこそ国際的な仕事に就くべきだとずっと思っていた」という中里さんの想い通り、中東の有名エアライン、エミレーツ航空の客室乗務員に合格しドバイで就職することになる。 女性で中東で働くということは難しいこともあるかと考えたが、あまり深く考えず楽しみだけを胸に飛び立った。私は中里さんの他にも、ドバイで同じようにエミレーツ航空で客室乗務員をしていたウチナーンチュを3名取材したことがある。エミレーツ航空を見ていると、他のエアラインより本当に様々な国・地域から客室乗務員を採用して本当に国際的だと感じる。そのエアラインに多くのウチナーンチュが働いているのを知ってとても嬉しく感じた。

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