那覇空港・那覇軍港はかつて巨大な「NAHA AIR BASE」だった

 
1970年の小禄

 第二次大戦後から1970年代にかけて、那覇市小禄には「NAHA AIR BASE」という巨大な米軍基地があった。

 戦前、日本軍によって作られた海軍小禄飛行場がその原型である。1972年に沖縄が本土復帰を果たした後、NAHA AIR BASE の滑走路機能を含む跡地一部が日本政府運輸省所管の那覇空港となり、大部分は日本の航空自衛隊那覇基地、陸上自衛隊那覇駐屯地へと引き継がれた。

 このような流れで、那覇空港は現在でも軍民両用空港となっている。港湾部分は引き続き「那覇軍港(ナハミリタリーポート)」として残り、今も米軍の管轄地である。また、一部地元に返還された土地では大規模な区画整理事業が行われ、金城地区を中心に住宅街の整備が進み、大型団地や今のイオン那覇などが建設された。

どれほど大きかったのか?

 NAHA AIR BASE がどれほどの大きさだったのか、返還された土地を元に紐解いてみよう。
 当時 NAHA AIR BASEだった土地の7〜8割は、現在も那覇空港、那覇軍港、自衛隊基地として運用されている。残りの約2〜3割、主にミリタリーハウジングとして使用されていたエリアが返還され、小禄の新しい街となった。イオン那覇やモノレールの小禄駅、赤嶺駅。産業支援センターや那覇西高校などがある一帯だ。

 このエリアには、ベース時代の名残を見て取れる興味深い箇所がいくつかある。

Print Friendly, PDF & Email
次ページ:

1

2 3

関連記事

おすすめ記事

  1. 試合後の挨拶で声を詰まらせる琉球コラソンの東江正作監督=2月23日、那覇市の沖縄県立武道館(長嶺真…
  2.  公立大学法人名桜大学(名護市、砂川昌範学長)と、沖縄本島北部の新テーマパーク事業…
  3. 屋那覇島 2015年著者撮影  34歳の中国人女性が「私が買った」とSNSにアップしてから、…
  4. 沖縄本島北部の伊是名村に属する無人島・屋那覇島。周囲は浅瀬で、エメラルドグリーンの海が広がっている…
  5. 座間味島付近の上空で目撃された白い球体=2022年4月28日午前(山本拓海さん提供)  偵察…

特集記事

  1. 練習中も大会本番と変わらない気迫で形を打つ喜友名諒=2022年11月撮影  東京五輪で初採用…
  2. 下地島空港  今年1月、在沖米海兵隊が人道支援・災害救援を目的とした訓練のため宮古島市にある…
  3. OTS台北事務所の與那覇正雄所長=1月9日、台北市内  昨年6月に訪日観光客(インバウンド)…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ