那覇空港・那覇軍港はかつて巨大な「NAHA AIR BASE」だった
- 2021/8/23
- 社会
ゲート跡地がかもし出す雰囲気
まずは331号線沿い。奥武山公園から産業支援センターに向けて南下すると、右手に巨大なパイナップルオブジェが目印のパイナップルハウスが現れる。その奥は陸上自衛隊駐屯地だ。
パイナップルハウスと自衛隊駐屯地の間には、急カーブを伴う一本の古い道が残っている。この旧道こそが、かつてのNAHA AIR BASEへの入り口であり、メインゲートが立っていた場所で、目の前は見渡す限りベースだったのだ。
そこから331号線を道なりにしばらく南下すると、赤嶺交差点に差し掛かるのだが、赤嶺交差点はどこか歪な造りで、進入する際に戸惑ったような経験はないだろうか?
実はここにも NAHA AIR BASE の存在が大きく関わっていた。もともとは交差点に向けて左斜め進入する現県道231号線が本来の331号線であり、ベースの出入口にも繋がっていた。現在のマンガ倉庫小禄店前にも、ベースのバックゲート(第二ゲート)が立っていたのだ。その通りに立つバス停の名前は、今でも「第二ゲート」である。
土地返還後の区画整理事業に伴い、旧道を残しつつも、新たに331号線を瀬長島方面にバイパス拡張したことで、赤嶺交差点は新旧道路が入り混じる複雑な交差点となっている(旧道は県道231号線へ降格した)。
この二つのゲート間がベース内のメインストリートであり、道の両サイドに巨大な米軍基地が広がっていた。この道路が軍用地よりも先に返還されたので、両側をフェンスに囲まれた状態の道を突っ切った覚えがある人も復帰前の世代には多いかもしれない。