必要性増す沖縄北部の救急救助ヘリ メッシュが今月から活動再開

 
活動を再開した救急救助ヘリの役割について説明する塚本裕樹理事長=8日、名護市宇茂佐のヘリポート

 離島やへき地の医療を支えるNPO法人「メッシュ・サポート」(塚本裕樹理事長)が、停止していた沖縄北部地域の救急救助ヘリコプターの運用を今月から再開した。3月12日に所有する小型機が伊江島空港で墜落、炎上し、乗員2人が死亡した事故を受け、ヘリの運用も自粛していた。

 深刻な医師不足により北部地域の病院で治療ができない疾患もあり、患者を中南部の病院に救急搬送する手段としてヘリの存在感が増しているのが現状だ。

北部12市町村組合から受託 国費8割

 救急救助ヘリは、北部12市町村でつくる北部広域市町村圏事務組合(理事長・渡具知武豊名護市長)の「北部地域救急・救助ヘリ運航事業」を受託して運用している。同組合は2020年10月から単年度事業で継続してメッシュに事業を委託しており、本年度も来年3月31日までの随意契約を結んだ。

 本年度の総事業費は1億5千万円で、その内の8割を国の北部連携促進特別振興事業補助金を活用する。活動拠点はこれまでの伊江島空港から、18年までメッシュが利用していた名護市宇茂佐のヘリポートに移した。

メッシュ・サポートの活動範囲(ホームページより)

 県内のドクターヘリは県も浦添市を拠点に1機運用しているが、複数の出動要請が重なる場合もある。本島周辺に多くの離島を抱える沖縄では県のヘリのみでは十分な対応が難しい。

 特に北部地域は、国頭村など本島内においても医療環境が十分とは言えないへき地も多いため、ヘリの需要が高い。事務組合の担当者は「重複要請があった時に県のヘリが来られないこともある。北部でもしっかり運用し、医療を支えないといけない」と事業目的を説明する。

医師が同乗するヘリ 住民から再開要望も

 事故後、メッシュには地域住民らから運用の再開を求める声が寄せられた。以前、国頭村からメッシュのヘリで運ばれた高齢の女性からは、電話で「事故(報道で)見たわよ。でもこれで止められると困るからどうにか続けて」と切実な声があった。

 この人は当時外傷により搬送されたが、同乗した医師が心筋梗塞の兆候を発見し、その後の早期治療につなげたという。

 塚本理事長は「救急ヘリの役割は患者を病院に搬送することもあるけど、現場に医師を送り込むことも大きなポイント。直接医師が診ることで気付くことも多い」とメリットを説明する。

 3月の飛行機事故を受け、これまでの安全点検作業を職員、パイロットとも再度徹底するよう努めている。

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