沖縄版「パーキングパーミット制度」を導入 障害者等用駐車区画の適正利用を

 
障害者等用駐車区画の利用証(沖縄県ホームページより)

 公共施設や商業施設などに設置されている「車いすマーク」の障害者等用駐車区画の適正利用を推進するため、沖縄県は7月から県版のパーキングパーミット制度を開始した。事業名は「沖縄県ちゅらパーキング利用証制度」。利用者の状態に応じた利用証を交付し、フロントガラスの内側などの見やすい所に掲示してもらうことで対象者が利用していることを分かりやすくすると共に、対象外の人が使用することを防ぐ狙い。

 県は今後、同様な制度を導入している県外の自治体と相互利用に関する協定を締結する予定。締結されれば、県外の対象区画でも利用証が効力を発揮することになる。

3種類の利用証

 制度の対象となる協力区画は、車いす使用者が車から乗降する際に幅の広いスペース(幅員3.5メートル以上)が必要な「車いす使用者優先区画」と、幅の広い区画は必要としない「プラスワン区間」の2種類がある。後者は歩行が困難、移動の際に配慮が必要な人が優先的に駐車できる区画で、今回の制度実施に伴い、車いす使用者の駐車区画を確保するために新たに設置協力を求めている。

 利用証は3種類。赤は「車いす使用者用」、緑は「その他の障害者、高齢者等」、オレンジは「妊産婦、一時的なけが人など」となっている。緑とオレンジはプラスワン区画を優先利用する。

 交付基準は障害者手帳、難病関係受給者証、介護保険被保険者証、母子健康手帳などを持つ人のうち、障害や要介護度の度合いなどによって基準が決められている。妊産婦などでは、有効期間も指定されている。申請は各市町村の担当課で受け付けている。

施設利用者の満足度向上に

 14日現在で、既に離島を含めた商業施設や学校、公園など様々な市町村の138施設が登録している。県は協力施設を随時募集しており、以下の3点を施設管理者のメリットに挙げている。

①トラブルやクレームの減少、回避

②施設利用者の満足度向上

③共生社会の構築、SDGsの推進

 登録窓口は県障害福祉課となっており、電子、メール、郵送の申請方法がある。詳細は沖縄県のホームページで確認できる。

Print Friendly, PDF & Email

長嶺 真輝

投稿者記事一覧

ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

この著者の最新の記事

関連記事

おすすめ記事

  1. 前半38分、左サイドからのクロスに反応する沖縄SVの髙原直泰(奥中央)=3日、三重県のAGF鈴鹿陸…
  2. 鋭いドライブでディフェンスを抜きに行く宜保隼弥(右)=6月15日、沖縄アリーナサブアリーナ(長嶺真…
  3. FC琉球の監督に再就任し、意気込みを語る喜名哲裕監督=15日、那覇市の沖縄県体協スポーツ会館 …
  4. 前半35分、白井陽斗(中央)のスーパーゴールを祝福する野田隆之介主将(右)らFC琉球のメンバー=3…
  5. 初優勝を決め、喜びを爆発させる琉球ゴールデンキングスのメンバー=28日、神奈川県の横浜アリーナ©&…

特集記事

  1. 沖縄県庁  沖縄県は、地域の緊張を和らげようと、4月から「地域外交室」を設置し、照屋義実副知…
  2. 試合終了後、サポーター席に駆け寄って引き続きの応援を求める喜名哲裕監督(右)=24日、沖縄市のタピ…
  3. インタビューで昨シーズンを振り返る安間志織=5月18日、那覇市内  欧州を舞台に活躍していた…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ