個人で収集2万点 民俗資料博物館「物で後世に歴史を」
- 2020/9/4
- 社会
名護市親川のさとうきび畑を抜けた先に、県内最大級の”私設博物館”がある。
戦前から現代に至るまで沖縄で日々の暮らしに関わってきた、ありとあらゆる日用品、民芸品、農機具、嗜好品などが展示されている「民俗資料博物館」。兵器・武器、軍装品などの沖縄戦にまつわる一切が展示されている別館の「戦争資料館」。
計2万点を超えるその圧倒的な展示量から、公立の博物館がイベントをする際には展示品を提供するなど、沖縄の民俗文化や沖縄戦の伝承に大きく貢献している。
そんな博物館をたった一人で営む歴史の伝承人、眞嘉比朝政(まかびちょうせい)館長に話を聞いた。
タイムスリップしたかのよう
「もしもここに無い物があれば、教えてほしい。何がまだ無いのか分からない」
少し困ったような顔で、少し誇らしげに話す眞嘉比館長。こんなに集め尽くても、まだまだ「ここに無い物」があるはずだと収集の手をとめない。
錆び付いた扇風機、レトロを通り越した電話機、昔の伝統的沖縄家屋の二番座を再現した一角など、今ではもう、普段の生活では決してと言って良いほど見られないものが多くある。まるでタイムスリップでもしたかのようだ。