組織や個人の伴走者「ファシリテーター」ってどんな仕事?

 

 新事業に着手しようにも、結論の出ない会議を繰り返してしまう企業。まちおこしを仕掛けたいが、方向性がまとまらない市民と行政。そのような課題を当事者と共に解決に導くのが、「ファシリテーター」という職業だ。沖縄県内でも近年、少しずつ認知度を高め、耳にするようにもなった。

 ファシリテーターの役割とは。導入することでどのような変革が期待できるのか。地域活性やコミュニティ作りの分野で実績を重ねる、北村ファシリテーション事務所(糸満市)の北村正貴代表に聞いた。キーワードは「対話」だ。

対話で紐解く課題や現状

 企業や団体はたいてい何かしらの目標や意義、ビジョンを掲げている。そして、そこに共感する人々が所属している場合が多い。

 しかしいざ足並みを揃えようと会議をしてみても、なかなか意見が挙がらなかったり、感情的な議論に終始したり、なんとなくその場の雰囲気に流されてしまったり。なんだか心当たりはないだろうか。そんな時こそファシリテーターの出番だ。

 NPO法人「日本ファシリテーション協会」によると、「人々の活動が容易にできるよう支援し、うまくことが運ぶよう舵取りすること」は「ファシリテーション」といわれ、それを行うのがファシリテーターだ。ファシリテーションの動詞形である「ファシリテート」は、直訳すると「(物事を)容易にする、促進する」などの意味を含む。

 北村さんは「伴走していく人」として、自らの役割を意識している。

「企業や組織、個人と“対話”をしていくことで、現状や課題を“自発的に紐解いていく”人材育成をしています」

 意識していることは3つだ。①相手の話から事実、根拠、意見をそれぞれ区別、整理して、②発言の中では省略された真意や抽象表現を具体的に問いかけ、③それらを明確にすることで相手に気付きを与える。

 安心して物事を話し合える関係性を構築していくことも、初期段階では何より大切だ。

コンサルとの違い

 組織や団体を支援するという意味では、コンサルタントとの比較もよくされるというが、両者は軸足が明確に違う。

 「コンサルタントは、直接提案して解決を目指しますが、ファシリテーターは対話をしながら気づきを提供し、行動につなげてもらうスキルを育成するという支援を行います」と北村さん。

 これを「魚を与える」のか「釣りの仕方を教える」のかの違いに例える。

 空腹に耐えきれない人に魚を与える、という即効力のある支援の有用性も踏まえた上で、北村さんは「釣りを教えた方が、自ら継続して考え続けることができます」と、自発的に問題を解決する力を育む重要さを説く。

 「もし魚を与えてしまうと、一時的な解決しか生まずに『誰かが助けてくれるはずだ』と、人に何かを求め、誰かのせいにする“他責思考”に陥ってしまいます」

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