組織や個人の伴走者「ファシリテーター」ってどんな仕事?

 

気付き、実行する力が未来を切り開く

 沖縄の社会課題は山積している。特に貧困と教育の問題は相関関係にもあり、負のスパイラルから抜け出せられない家庭も多い。自己肯定感を高めて「自責思考」を深める重要性を、沖縄の子どもたちにも向ける。

 「自発的にたくさんの情報を吸収し、学び、自助努力できるスキルがあれば、たとえ家庭環境が悪くても将来を覆せると思うんです。でも、そんな姿勢を持つこと自体が難しい。『自分がやることで可能性を広げる』『やれば変わる』という次の一歩を踏み出せる力があれば、解決できることも増えるはずです」

 ただ「すぐに解決を目指さなくても良いんです」と言う。北村さんは続ける。「“解決を目指すという気持ち”そのものに価値があります」

 自分で前に進む力や自信があれば、とにかく未来を切り開く推進力になる。その推進力を生み出せるエンジンを、対話で引き出すことが重要なのだ。

 「誰かがその日、最後に笑ってもらうのが好きなんですよ。最初どんなに疲れた顔で来ていたとしても」

 相手が笑顔になるまで、答えにたどり着いてもらえるまで、近道厳禁、焦らずゆっくり。ファシリテーター・北村さんは、問いを重ねて相手の気付きを引き出している

北村ファシリテーション事務所
https://kitamuramasaki.com/

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長濱 良起

投稿者記事一覧

フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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