沖縄が国内マリンスポーツ中心地を静岡に明け渡してしまった理由

 

自然相手 変化への対応力学べる場

 昨今は急速な技術革新や新たな価値観の出現などで、これまでにないほど社会変化が激しい時代だ。未来が不確実性を帯びる中で、自らが能動的に能力を獲得・活用していく力が求められるからこそ、遠矢氏は「変化への対応力を一番学べるのは、自然を相手にすることです」と断言し、大人も子どもも学べる新しい形の教育旅行も提唱する。

人工物であればあるほど、確実性が増します。ファミコンでAボタンを押せば必ずジャンプで、Bボタンを押せば必ずダッシュになりますよね。その人工物とは対照的に、「必ず」がなく不確実なのが自然物です。ただ、何の準備もせず自然に人々を放り込むのはあまりに過酷です。しかし、野外スポーツなら、楽しみながら自然の難しさを学ぶことができます。そのためには安全の確保がやはり必要です」

沖縄を「地球一のマリンスポーツユートピア」に

 遠矢氏自身も競泳、水球、ダイビングと、さまざまなマリンスポーツに打ち込んできた。「競泳は線的な動きなので1次元、水球は面で動くので2次元です。ダイビングは深さもあるので3次元です」と笑って話すように、自身の“海の次元”を広げ続けている。東シナ海が一望できる名桜大学のキャンパスに身を置きながら、遠矢氏はこう述べた。「沖縄を地球一のマリンスポーツユートピアにしたいです。私が人生をかけて取り組んでいることです」

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長濱 良起

投稿者記事一覧

フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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