沖縄の入域観光客、8月は前年比4割増
- 2021/10/1
- 経済
沖縄県は28日、8月の入域観光客数は前年同月比42.1%増の28万8200人で、2カ月ぶりに前年同月を上回ったと発表した。ただ、新型コロナウイルスの影響がなかった2019年の同月比では71.8%(73万3000人)減で、厳しい状況が続いている。
県庁で会見した山川哲男観光政策課長は、緊急事態宣言下でも昨年から4割増えたことについて、「需要増を見込んだエアラインの提供座席数の増加で自然に増えた。ワクチン接種率が高まっており、接種者を含め旅行マインドが少しずつ回復しているのではないか」と説明した。
ただ、観光客数はコロナ禍前の好調な時期と比較すべきとの考えを示し、「(コロナ禍前は)観光客が来過ぎじゃないかとの地元の声もあった。トップシーズンの8月として、業界の方々の大変厳しいという意見も多いことも踏まえ、この数字をもって増えたとは捉えていない」と述べた。
その上で、「コロナをしっかりと抑えながら、段階的に、沖縄観光の元々の成長過程に戻していくよう取り組んでいかねばならない」と強調した。
新型コロナウイルスの感染拡大は、沖縄の基幹産業である観光を直撃している。1~8月の観光客数を比較すると、コロナ禍前の2019年が694万人だったのに対し、20年は246万人、21年は172万人となった。
観光客数の減少は、国内客が減少したほか、2019年1月~8月期には209万人の入域があった外国客が、20年の同時期には25万人、21年はゼロとなっていることも大きく影響している。
県は9月について、航空路線での運休・減便やGo Toトラベル事業の一時停止のほか、全国各地で緊急事態宣言やまん延防止等重点措置も続いていたことから、厳しい状況を予測している。
緊急事態宣言が解除される10月以降の取り組みについて、山川課長は「経済活動の再開に腰を据えて取り組まねばならない時だ。新規感染者数などを参考にしつつ段階的に県内需要を回復させ、水際対策を徹底して徐々に県外需要を取り込んでいきたい」と述べた。那覇空港や宮古など離島空港等で行うPCR検査など水際対策を強化していくとも述べた。
(記事・写真・図 宮古毎日新聞)