話題のバタフライピーで商談会 鮮やかな“蒼”で沖縄新商品続々

 

 東南アジア原産で、花びらが蝶の形に似ていることからバタフライピーと呼ばれる植物が、注目を集め始めている。抽出されるエキスが鮮やかな青色であることから沖縄の海や空を連想させ、沖縄ならではの飲料や食品、サプリメントといった商品づくりに活用されている。那覇市の沖縄産業支援センターでは9月29日に初めての展示商談会が行われた。

沖縄の新たな県産品に

 商談会には9つの企業や団体のブースが参加した。酒造会社はバタフライピーを使った飲料やリキュール、製造業者は食品や菓子と、すでに市販されているものや、これからリリースされる商品が県内外の事業者やバイヤー向けに紹介された。コロナ禍ならではのオンライン商談も行われた。

バタフライピーを使った飲料

 バタフライピー産業推進団体は、沖縄観光コンベンションビューローや琉球大学、県飲食業生活衛生同業組合、それに宿泊業や製造業などの企業を含め30あまり。普及促進の中心的役割を果たしている株式会社バタフライピー研究所の王鵬龍(おう ほうりゅう)社長は、さまざまな業界から注目を集めているのは色だけではないと語る。

バタフライピー研究所 王鵬龍社長

 「つい最近の研究結果ですが、バタフライピーに含まれるアントシアニンという成分がブルーベリーの約10倍含まれていることが分かりました。アンチエイジングやメタボ防止などに効果があると期待されています。県産のバタフライピーを広めることで農家の雇用や沖縄の経済に貢献することが私たちの目的です。新しい県産品にしたいと、皆さん(各企業や団体で)取り組まれています」

魅力を生かすための努力

 素晴らしい素材をどう自社製品に生かすか、それぞれで工夫が凝らされている。「美ら海ブルーカレー」を作り出したのは、うるま市の「食のかけはしカンパニー」。篠原辰明(しのはら たつあき)代表は、カレーの風味とバタフライピーの色合いを両立させるのが大変だったと語った。

食のかけはしカンパニー篠原代表とカレー試作品

 「例えば青いルーの部分を海、ご飯の部分をビーチとしてトッピングも工夫できれば、名前通りの沖縄らしいカレーにできると思います」
 筆者も試食したが、しっかりスパイスも効いた中でクリームベースのまろやかさも感じられ、素直に美味しいカレーだと感じた。今年末の販売を予定している。
 この他にもレモンなどクエン酸を加えると紫に色が変化することを生かしたカクテルや日焼け止めサプリメントなど、各社の強みにバタフライピーの“蒼”を加えたラインナップが来場者の目を引き、熱心に質問する人の姿も目立った。

増産目指し図る安定供給

 現在県内では沖縄市、読谷村、南城市と拠点産地が3カ所あり、今年は最大で60トンの栽培が可能ということで、来年は120トンの栽培量を目標としている。本島北部や宮古、八重山にも拠点をつくり安定供給を目指す。染料やコンクリート塗料、医療用カプセルの原料としても使用されるバタフライピーのさらなる応用にも注目したい。コロナ禍からの巻き返しを図る県経済の活性化に一役買ってくれそうだ。

☆バタフライピー研究所ツイッター
https://twitter.com/bpgokinawa
☆食のかけはしカンパニー
https://www.fc-kakehashi.jp

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