遠山光一郎の「沖縄VSアジア国際都市」6:各国で進む観光再開計画

 
シンガポールワクチン接種会場の一つ

 世界中で長期化するコロナ禍。日本、沖縄、東南アジア各国でも規制を強化したことにより観光業を始め飲食店などが大きな経済的被害を受けている。一方、各国、各地域ともワクチン接種率の向上が進み、新型コロナウイルスのパンデミックから、比較的感染規模の小さい「エンデミック」への移行を見据えた新たな試みが始まっている。

接種率80%のシンガポール 段階的に規制緩和

 「エンデミック」は、「ある感染症が一定の地域に一定の季節で日常的に繰り返し発生すること」を指す。

 タイ、マレーシア、インドネシアなどでは、8月までワクチン接種が遅れ感染者や死亡者が急増していたが、現在、状況は少しずつ改善している。しかし、私が住む、コロナ対策で優等生だったシンガポールで状況悪化が見られている。1日1000人以上の感染者が出ており死亡者も増えており、9月中旬からまた緊張が高まっている。

 しかしシンガポール政府は約80%の高いワクチン接種率をもとにICUや重篤患者の対応に焦点を当て、規制を慎重に段階的に緩和している。濃厚接触者の隔離を14日間から10日間に短縮、感染者の自宅療養への移行など対策を進めている。また高齢者への3回目のブースター接種も順調に進んでいる。加えて、検査体制も重点的に強化しており飲食店、ジム、スーパーマーケット、宅配配達者などリスクの高い職場スタッフに対する週一回の簡易検査の義務化、各家庭へも簡易テストキットを送付し、行動アプリにより濃厚接触者として通知が来た際に素早く検査できる体制を作るなど次のステージに移行しつつある。

シンガポール政府から各家庭に提供された簡易テストキット
シンガポールのワクチン証明。これがないとレストランで食事ができない。濃厚接触の場合も通知される

東南アジア各国が取り組む観光再開計画

 各国ともワクチン接種率が順調に進むにつれ、観光再開のため試験的に国境をオープンにし、ワクチン接種した観光客の受け入れなど様々な計画をスタートさせている。

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