沖縄の酪農家を「元気ハツラツ!」に 大塚製薬がオロナミンCを贈呈したワケ

 
沖縄県酪農農業協同組合の神谷翔平組合長(右)にオロナミンCを贈呈する大塚製薬熊本支店那覇出張所の山本悠一朗所長=13日、八重瀬町の同組合

 大塚製薬(東京)の熊本支店那覇出張所の山本悠一朗所長が13日午後、八重瀬町の沖縄県酪農農業協同組合に神谷翔平組合長を訪ね、同社の人気商品である炭酸栄養ドリンク「オロナミンC」を400本贈呈した。県内の49牧場に配布される。飼料価格や光熱費の高騰などに苦しみながらも、日々牛乳の生産に汗を流す農家に「元気ハツラツになってもらいたい」(山本所長)との思いで贈られた。

HUB沖縄の記事で農家の苦境知り

 贈呈のきっかけとなったのは、3月29日付けでHUB沖縄のサイトに掲載された記事だという。県酪農農業協同組合が同28日に、県産牛乳の消費喚起を目的に沖縄県庁前で通行人に無料配布を行ったことを伝える内容だった。飼料価格の高騰に加え、学校の春休みシーズンで給食需要がなく、余剰乳の増加が予想されることなども盛り込まれていた。

 その記事を読み、県内酪農家の苦境を知った山本所長が今回の企画を組合に提案したという。贈呈式の冒頭で、その経緯に触れた山本所長は「何か力になれないかと第一に思いました。オロナミンCに『元気ハツラツ』というキーワードがある中で、酪農家さんに元気を届けることができないかと考え、話をさせていただきました」と振り返った。

3月28日に県酪農農業協同組合が行った県産牛乳配布の取り組みを紹介するHUB沖縄の記事

 今後、本格的に気温が上がる夏を迎える。乳牛は暑過ぎると“夏バテ”で生産量が落ちるため、農家にとっては大型扇風機を回し続けるなど暑熱対策費用がかさむ厳しい季節に入る。

 それを念頭に、神谷組合長は「これから暑くなっていく中で、県内約50戸の農家は牛の体調管理に気を付けないといけません。夏場の生産を維持するためにも、オロナミンCを飲んで頑張っていけたらと思います。本当にありがとうございます」と感謝した。

「牛乳×オロナミンC」新しい飲み方の提案も

 贈呈式では、山本所長からオロナミンCを牛乳で割る「オロナミンミルク」も紹介された。大塚製薬が以前から全国的にPRしている飲み方で、マイルドで飲みやすい味わいだという。

 山本所長は「牛乳の消費量を上げていくという目的がある中で、今まであまり牛乳を飲んでなかった方が、これなら一回飲んでみようかとなれば嬉しいです。ぜひ、一度試してみていただければありがたいです」と勧めた。

 贈呈式の場でオロナミンミルクを試飲し、ヨーグルトをベースにしたインドの「ラッシー」の味を思い浮かべたという神谷組合長は「牛乳が苦手な消費者もいると思うので、そういう人たちにも違うアプローチができると思います」と期待した。

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長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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