沖縄各地から選ばれた牛が一堂に 糸満市で畜産共進会
- 2023/11/7
- 経済
沖縄県内の各地域から選抜された牛が一堂に集まる「沖縄県畜産共進会」が7日、沖縄本島の糸満市で開かれ、農家たちが手塩にかけて育てた成果を競い合った。優秀な成績を収めた牛と農家には、大きな拍手が送られた。
牛を含む畜産業は、沖縄の農業産出額で4割を占めるという。沖縄県農業協同組合中央会の普天間朝重会長は、大会に寄せたメッセージで「飼料価格を始めとする生産資材が高騰し、畜産業界全体が苦境に立たされているが、このような情勢下でも安全・安心で高品質な畜産物の生産は極めて重要だ」と強調した。
この共進会は、畜産農家の家畜の改良や飼養管理技術の向上を目的に毎年開催されている。今大会には肉用牛の部に県内各地域を代表した38頭が出品された。審査は家畜の体型や発育状況、繁殖能力などを評価して行った。
若雌第1類で最も高い評価を得たのは、糸満市の大城京美さんが出品した「みか」号。好成績を得て、糸満市をアピールする幕をまとって会場を一周した。
若雌第2類での最高評価は、多良間村の湧川農さんが出品した「みらい」号。湧川さんは、「うれしい。風や空気の良いところに放牧して、牛にストレスを与えないように育てている」と笑顔で話した。湧川さんは、県知事賞も受賞した。
高等登録群での最高評価は、宮古島市の荷川取広明さんが出品した「きらら」「ゆうき」号。荷川取さんは農林水産大臣賞なども受賞し、「コロナ明けで今回の大会からレベルが上がっていたが、関係機関の協力のおかげで大臣賞を受賞できたので感謝したい」と喜びを語った。
審査中は、会場を取り囲む関係者らが固唾を飲んで見守っていた。肉用牛の部、団体優勝は糸満市。優勝旗を授与された同市のメンバーらは、大きく旗を振って喜びを爆発させた。
(記事・写真 宮古毎日新聞)