「観光業界の意見を踏まえて」 観光目的税で意見書提出

 
観光目的税(宿泊税)について照屋副知事(中央左)に意見書を提出した下地会長(同右)=8日、沖縄県庁

 観光団体や企業で構成する「沖縄ツーリズム産業団体協議会」の下地芳郎会長らは8日、沖縄県庁に照屋義実副知事を訪ね、県が導入を検討している観光目的税(宿泊税)について意見書を提出した。下地会長は、観光産業はコロナ禍から十分には回復していないと指摘した上で、「観光目的税などでは、直接的な関係者である観光業界の意見を踏まえた制度設計にしてほしい」と述べた。

 観光目的税は、自治体が観光振興などを目的に独自財源を確保するためのもの。国内各地では、このうち宿泊税を導入を目指す自治体が増えている。意見書の提出に同席したメンバーからは、使途を明確にすることや、県と観光業界が定期的に話し合う協議会を開いて議論することを求める声があがった。

 意見書では、同税を導入する目的として「世界から選ばれる持続可能な観光地として発展していくため、安全・安心で質の高い沖縄観光の実現による観光客の満足度向上、県民の観光への理解促進、観光産業の成長・変革、発展につながる施策に必要な費用に充てるため」とした。

 また、税率については「宿泊料金1人1泊または1部屋、1棟につき3%を求める」とする一方、「島しょ県である沖縄の特殊性、他の都道府県に比べ観光が県経済に占める割合の大きさから、5%を求める意見もある」とした。

 このほか、下地会長は「直接、観光客と向き合う事業者には、説明責任も出てくる。その点も踏まえ、協議の場を含めて(導入)プロセスを透明化してほしい」とも要請した。

 照屋副知事は「観光関連団体等との調整を進めながら、目標としては2026年度に導入を目指すことにしており、あと2年半ある。観光関連団体や、導入を予定する市町村との意見交換を再開しており、引き続き皆さまとも協議をしていきたい」と応じた。


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