沖縄の景気「拡大基調」継続 日銀那覇支店11月

 
2023年11月の県内金融経済概況について説明する日本銀行那覇支店の小島亮太支店長=10日、日本銀行那覇支店

 日銀那覇支店(小島亮太支店長)は10日、2023年11月の県内金融経済概況(主要指数は9月)を発表し、景気判断について、前月の「拡大基調にある」との判断を維持した。個別項目でも判断を据え置いたが、多くの項目で前年比を上回る高水準の値を示した。

 個別項目の個人消費では「緩やかに増加している」との判断を据え置いた。百貨店やスーパーの販売額(全店舗)は前年比でプラス11.3%。日常的に消費する食品や調味料などは、各店舗のプライベートブランド商品が伸びる一方、各種催し事などでは、通常より高価なものを買い求める傾向があるという。

 また、家電の販売額(大型専門店)も前年比プラス6.6%。8月の台風6号の接近、通過により家電製品に故障が生じ、買い換えが進んだ影響が9月まで続いたとした。

 観光では、主要ホテル客室稼働率が前月の61.0%を上回る62.8%となった。10月(速報値)は67.5%とさらなる高水準となり、コロナ禍前の19年比で見ても、9月からマイナス幅が大幅に縮小した。10月は修学旅行や募集型ツアーといった団体旅行が増え、ホテル稼働率を下支えしていると分析した。

 入域観光客数は、前年比プラス43.5%。国内客で団体客が回復しているほか、これまでリモートで実施していた会議などを対面で行うようになった結果、ビジネス出張が増えたことも寄与しているという。

 先行きについて、同支店では拡大基調が続くと判断。小島支店長は「(観光の)国内客では、ペントアップ需要が引き続き継続する。海外客も、台湾や韓国などアジアから那覇空港への国際線の復便・増便が続いていることから、着実に増加していくことが予想される」と話した。

 その一方で、観光客数の先行きについては、幅を持って予測する必要があるという。中国経済減速の影響や、日中関係の悪化などを指摘する声があるとして、小島支店長は「海外客は特に国内外の政治情勢とか左右される面も大きいので、留意していく必要がある」と述べた。

(記事・写真・図 宮古毎日新聞)


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