沖縄県への入域観光客 4~9月は419万人「海外客の回復不十分」

 
2023年4~9月で沖縄への入域観光客数は419万人を記録した=1日、豊見城市のウミカジテラス

 沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB、下地芳郎会長)は1日、那覇市で定例会見を開き、2023年度上半期(4~9月)の入域観光客数実績を発表した。国内客は366万3400人、海外客は53万2500人で、合計では前年比40%増の419万5900人だった。下地会長は「回復基調だが、海外客(の回復)が不十分」と指摘した。

 OCVBは今後の見通しとして▽10月は前年比23.0%増の77万6000人▽11月は同12.8%増の69万4000人▽12月は5.5%増67万人―になると予測した。また、年間の入域観光客数については、823万2100人となる予測を発表した。

 国内客については、各種イベントがコロナ前と同様に通常通り開催されるほか、離島直行便の需要が高いこと、修学旅行が回復傾向にあることから、好調に推移しているとした。

 海外客は、空路は台北や香港などの路線で、予約は堅調に推移していると指摘。11月末にはシンガポール路線も運航を再開予定で、同月にはコロナ前の約7割まで回復する見込みだとした。

 一方、海路は11月以降も引き続き台湾、中国などから入港予定だが、入域数はコロナ前の約3割程度にとどまると予想した。

 下地会長は「沖縄の観光は回復基調にあるが、インバウンドが十分ではない。また、最も大きな課題は人手不足だ。短期的な対策はもちろんだが、中長期的な人材育成制度が非常に重要だ」と述べた。

 会見で下地会長は、観光人材の育成に関連して、沖縄キリスト教学院大学が24年4月に観光文化学科を新設するほか、国立沖縄高専でも、観光に関するプログラムを展開していくことを説明した。

 また、宝塚医療大学が24年4月から宮古初の大学キャンパスを設け、観光学部を新設することに触れた。同学部の学生が、1年生のうちは宮古島キャンパスで過ごすことについて、下地会長は「非常に明るいニュース。宮古島の観光も人材不足なので、期待している」と述べた。

 その上で「観光人材の育成が教育機関でもスタートする。観光が(沖縄の)リーディング産業であるのは間違いない。人材育成をしっかりとやっていく必要がある」と力を込めて語った。

(記事・写真・図 宮古毎日新聞)

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