「農業はスポーツだ」サッカー沖縄SVがカッコいい農業本格始動

 

 サッカーJリーグ入りを目指すクラブチーム「沖縄SV(エスファウ)」(豊見城市、髙原直泰代表)が取り組むコーヒー栽培を軸に、農業事業を本格化させた新会社「沖縄SVアグリ株式会社」(同、宮城尚代表)が始動した。設立は9月7日付。10月11日に高原氏と宮城氏が那覇市内で記者会見を開き、発表した。

 耕作放棄地の再生や就農者不足、選手の引退後キャリア育成などの課題を同時に解決しながら「スポーツ×農業」の視点で、沖縄県産コーヒーの特産品化や、農業アパレルの展開などで“クールな農業”のブランド化を目指す。合言葉は「農業はスポーツだ」。

髙原氏「コーヒーは沖縄の特産品になりうる」

沖縄SVの髙原直泰代表

 九州サッカーリーグに参加している沖縄SVは、元サッカー日本代表の髙原氏によって2015年に設立された。会見で髙原氏が「チケットやグッズの収入だけではなくて、自分たちで稼ぐことが会社として必要なのではないか」と話すように、球団の自立性を高めるという狙いもある。

 チームとしては2019年から、名護市と大宜味村の農場で⽇本初の試みとなる産学官連携でのコーヒー栽培をスタートさせていた。「沖縄コーヒープロジェクト」と銘打って、ネスレ日本株式会社、琉球大学、名護市と連携して取り組んでいる。以降、沖縄本島に5カ所、宮古島と石垣島に1カ所ずつの計7カ所の農家の協力を得て、約6000本の苗木を栽培しており、2022年からコーヒー豆の収穫を予定している。

大宜味村の農場(沖縄SVアグリ提供)

 髙原氏は「コーヒー栽培は、日本国内だとほんの一部の地域でしかできません。コーヒーが新たな沖縄の魅力の一つになるのではと思います」と話し、国内のコーヒー消費量が一人当たり年間400杯以上であることにも触れながら「コーヒーは沖縄の特産品になりうるポテンシャルがあるのではと思っています」と期待を込めた。

コーヒーの実(イメージ画像)

高付加価値ブランディングや海外展開も

 今回新しく立ち上がった沖縄SVアグリは①高付加価値な農産物の栽培②地域特性を活かした加工品製造③農業をCOOLにブランディング―の3点を大きな柱に事業を展開する。

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