衆議院選挙迫る<沖縄1区> またも三つ巴か、それとも保守一本化か
- 2021/10/15
- 政治
10月14日に衆議院が解散された。総選挙は19日公示、31日投票という日程で行われる。
就任したばかりの岸田文雄首相率いる自民党、そして連立を組む公明党の与党側が勝利するのか、全国各地で候補者の一本化を進める立憲民主党や共産党、国民民主党、社民党などの野党が勝利するのか。コロナ対策や経済の立て直しなどが争点となるなか、沖縄県では1区から4区まで4つの選挙区で争われる。各選挙区ごとに選挙戦の構図をまとめる。
過去3回はいずれも同じ顔ぶれの三つ巴
まずは沖縄1区についてである。
沖縄1区は、県内最大都市の那覇市と、久米島町、渡嘉敷村、座間味村、粟国村、渡名喜村、南大東村、北大東村の離島各町村からなる。なかでも有権者の95%以上を占める那覇市は、都市部だけに浮動票が多く、選挙のたびに支持動向が大きく振れる傾向にある。
沖縄1区から立候補が予想されるのは、いずれも前職で、共産党の赤嶺政賢氏(73)、自民党の國場幸之助氏(48)、無所属の下地幹郎氏(60)の3人だ。また、政治団体代表の石田辰夫氏(69)も10月2日に県庁で会見し、出馬の意思を表明している。
小選挙区制のもとで初の衆議院選挙となった1996年の総選挙からこのたびの総選挙で9回目となるが、そのうち前回2017年までの直近の3回では、いずれも赤嶺氏、國場氏、下地氏による三つ巴の戦いが繰り返されてきた。
その結果は、2012年の総選挙では沖縄1 区で國場氏が当選し、赤嶺氏は比例復活を遂げ、そして下地氏は落選。続く2014年の総選挙では、この年に行われた県知事選挙で翁長雄志氏の当選を後押ししたオール沖縄旋風が大きく影響したこともあり、赤嶺氏が2年前の選挙より4万票あまりも票を伸ばして当選した。國場氏と下地氏はそれぞれ比例復活を遂げた。
そして、2017年の衆議院選挙では、赤嶺氏が前回に引き続き当選、國場氏と下地氏がそれぞれ比例復活した。
沖縄1区は、2014年、2017年の総選挙でともに全国で唯一の共産党候補が勝利した選挙区である。自民党の國場氏とかつて自民党に所属していた下地氏とで保守分裂が続くことが影響していることは言うまでもない。