衆議院選挙迫る<沖縄4区> 保革決戦、オール沖縄議席奪還なるか?
- 2021/10/18
- 政治
10月31日に投開票を迎える衆議院総選挙。糸満市、豊見城市、南城市、南風原町、八重瀬町、与那原町の本島南部地域と、宮古島市、多良間村、石垣市、竹富町、与那国町の宮古・八重山地域からなる沖縄4区には、自由民主党で前職の西銘恒三郎氏(67)と、元那覇市議会議長で立憲民主党・新人の金城徹氏(68)の立候補が予定されており、一騎打ちになる見通しだ。
西銘氏は4日に発足した岸田新政権で沖縄北方担当大臣として初入閣を果たしており、今選挙では6期目を目指す。一方、金城氏は「政権交代」を掲げ、4区での「オール沖縄」の議席奪還に挑む構図だ。
保守が強めの地盤
4区は2002年の公職選挙法改正によって区割が変更されて新設された。県内選挙区の中では比較的保守勢力が強い傾向にあり、西銘氏の地盤という印象もある。宮古・八重山地域が含まれるため、離島地域の住民に対して振興政策をどれだけアピールできるかどうかも得票の鍵を握る。
また、本島南部・離島地域には住民生活に影響するレベルでの米軍基地関連施設や被害などもあまりないため、日米安保や辺野古関連の問題は争点化しにくい。他方、宮古・八重山では陸上自衛隊配備を巡る安全保障の議論を避けられない状況になっている。
これまでの当選結果を見てみると、2003、2005年は西銘氏が当選。ともに次点に2万票の差をつける安定感を見せている。2009年には民主党で当時新人の瑞慶覧長敏氏が革新系として議席を奪取。続く2012年には保革5人が立候補する混戦となったが、西銘氏が次点の瑞慶覧氏に4万票近い差をつけて当選、前回落選の無念を晴らした。
しかし2014年には無所属で共産など5政党から推薦を受けた革新系で新人の仲里利信氏が当選。西銘氏は約5000票差で敗れる大接戦となったが、九州比例で復活当選して4期目を務めた。そして前回選挙の2017年は、再び西銘氏と仲里氏の事実上の一騎討ちとなり、西銘氏が当選して議席奪還を果たした。ちなみに同年の衆院選で、唯一「オール沖縄」勢力が敗戦を喫したのがこの4区だった。