【宜野湾市長選】普天間飛行場「即時運用停止を」 新人・仲西氏が政策発表

 
2度目の挑戦に向け、自身の政策を発表する仲西春雅氏=8月26日、宜野湾市野嵩の選挙事務所

 9月11日投開票の宜野湾市長選(9月4日告示)に向け、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設反対を掲げる「オール沖縄」勢力が支援する新人の仲西春雅氏(61)=共産、立民、社民、社大、にぬふぁぶし、れいわ推薦=が8月26日、宜野湾市野嵩の選挙事務所で政策発表を行った。目玉に「子どもを核とした優しい街づくり」を掲げて子育て支援策を充実させたほか、市の真ん中に位置する普天間飛行場については、辺野古移設に反対する姿勢を示した上で「新たな基地は認めず、普天間飛行場の即時運用停止、一刻も早い閉鎖、返還を強く求めます」と強く訴えた。

 市長選には2期目を目指す現職の松川正則氏(68)=自民、公明推薦=も立候補を表明しており、4年前と同じ顔合わせとなる見通しだ。

子ども支援、観光振興に力

 2度目の挑戦となる仲西氏は「この4年、市民として暮らしてきましたが、市が抱える色々な課題は何も解決されていない」と危機感を表明した。特に基地問題に触れ「保育園や学校の上空を飛ばないでくれという親御さんの願いは実現されていません。米軍由来とされるPFOS(有機フッ素化合物)は地下水汚染を起こしています。市民の命と暮らしを守るため、立候補を決意しました」と語った。

 政策には子ども政策のほか、「安全な水、安心な空を取り戻す」「打撃を受けた地域経済の再生」「ジェンダー平等・多様性を尊重する市の実現」「市民本位の視点で進める基地返還跡地利用」など8つの大項目を設定し、実現するための詳細な政策を列挙した。

 子どもを核とした街づくりでは、子育て支援策を充実させて人口を増やした兵庫県明石市をモデルに取り組むとした。高校卒業までの医療費無料化やヤングケアラー支援体制の構築、親の就労支援などを挙げて「人口を増やし、税収を上げ、新たな福祉政策を講じ、また人口が増えるというサイクルをつくっていきます」と決意を示した。

 福祉政策では総合福祉健康増進センター(仮称)の整備や公設火葬場の建設、市子ども未来応援推進基金(仮称)の設置なども挙げた。

多くのヨットが接岸する市西海岸の宜野湾港マリーナ

 経済振興に向けては市観光基本計画を策定を見据える。西海岸にある仮設避難港周辺でクルージングや特産物の消費拠点、海釣り公園などを整備するとし、「都市型観光地として宿泊から消費までを賄える世界水準の都市型オーシャンフロント地を形成します」と展望。コロナ禍や物価高が続く中、「中小地場産業への支援、特に飲食業、小売業、観光関連産業への支援や消費喚起策を図っていきます」と訴えた。

PFOS問題で健康被害調査

 基地問題では、2017年に普天間第二小学校に米軍ヘリの窓枠が落下したことなどに触れ「事故があったにも関わらず、米軍機の訓練は激しさを増すばかりです。航空機騒音に関する日米合意を徹底させ、常周経路の遵守と夜間早朝の訓練を止めさせます」と約束した。

市街地上空を飛行する米軍普天間飛行場所属のMV22オスプレイ

 PFOSなどの汚染問題では、基地内調査を実施して国と米軍の責任で原状回復させることを求めることに加え、「市民の健康被害調査を主導して実施し、土壌や水質の検査による実態把握と抜本的な解決に取り組みます」と述べた。

 普天間飛行場の跡地利用については大公園の整備のほか、「国際機関を誘致し、飛行場跡地をアジアの平和のシンボルとして開発します」と構想した。

ジェンダー平等にも注力

 宜野湾市では昨年3月の議会で市男女共同参画推進条例案が可決されたが、当初の条例案の内容に市議会与党が反発し、表題に入っていた「多様性」の文言が削られたり、ヘイトスピーチ禁止の項目が削除されたりするなどの経緯が市内外から批判を受けた。

 この経緯を念頭に、仲西氏は「多様性を尊重する条例の制定を心待ちにしていた多くの方の期待を裏切りました。私は全ての人があらゆる分野において人権が尊重される市をつくります」と強調し、パートナーシップ制度の導入や女性の管理職登用促進、選択的夫婦別姓制度の導入推進などを掲げた。

仲西春雅(なかにし・はるまさ)

1961年6月26日生まれ。浦添市出身。宜野湾市志真志在住。興南高校卒。飲食業などの傍ら、子の通う学校でPTA活動に深く関わり、2014~18年に県高校PTA連合会会長を務めた。4年前の宜野湾市長選に出馬し、落選。

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長嶺 真輝

投稿者記事一覧

ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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