【宜野湾市選】松川氏、仲西氏が総決起大会 知事候補もセット戦
- 2022/8/30
- 政治
9月11日に投開票(9月4日告示)される宜野湾市長選に向け、立候補を予定する、現職で2期目を目指す松川正則氏(68)=自民、公明推薦=と、新人で元県高校PTA連合会会長の仲西春雅氏(61)=共産、立民、社民、社大、にぬふぁぶし、れいわ推薦=が8月29日夕にそれぞれ市内で総決起大会を開いた。市長選と同日に投開票される県知事選に立候補している新人の佐喜眞淳氏(58)は松川氏、現職の玉城デニー氏(62)は仲西氏の総決起大会に参加し、セットで支持を訴えた。
松川氏「段階的にでも普天間返還に道筋付けたい」
松川氏陣営は宜野湾市民会館で佐喜眞氏との合同総決起大会を行った。松川氏と佐喜眞氏を支える「『宜野湾がいちばん』市民の会」の会長・又吉清義県議や、佐喜眞氏の選挙母体である「経済・危機突破県民の会」の会長・松本哲治浦添市長らも登壇し、佐喜眞氏の地盤である宜野湾市での強みをしっかり生かす構えだ。
青のハチマキを巻いた支持者を前に松川氏は、米軍普天間飛行場の騒音や汚染水問題について「課題解決の方法は、やはり普天間飛行場の返還しかありません」と話すと、聴衆は拍手で応えた。さらに、4月に玉城知事と意見交換をした際には「話が全くかみ合いませんでした。(名護市辺野古への代替基地建設に)反対だということしか回答がなかったです」と問題解決への糸口が掴めなかったことに言及。「辺野古はもう30%が埋め立てられています。移設以外の選択肢がなく、容認せざるを得ません。段階的にでも返還に道筋を付けて参りたいと思います」と話した。
松川氏は副市長として6年半、市長として4年間の計約10年半、市政に関わってきた実績として、市道宜野湾11号の整備完了による国道330号の渋滞緩和や、米軍キャンプ瑞慶覧・西普天間住宅地区返還跡地への琉球大学医学部・大学病院移転を挙げた。自身が副市長当時に市長だった佐喜眞氏と手掛けた仕事の数々に、今後についても「期待をしてください」と呼び掛けた。
県知事選に出馬している佐喜眞氏は、対立候補である現職の玉城氏について「普天間返還合意から26年。知事はなぜ、返還や負担軽減、危険性の除去を総理に直訴しないのか」と疑問を呈した。「私は2030年までに返還を実現しようと思います」と決意を声高に述べた上で「返還がゴールではありません。476ヘクタールの広大な土地を、平和利用やビジネス、教育などに使えます。跡地の利用を想像していこうではありませんか」と改めて打ち出した。
また、目玉政策でもあり、給食費・子ども医療費・保育料を無料化する「子ども特区」の実現や、観光関連産業への1000億円規模の支援、物価高対策などについても言及。政策実現に向けて「政府としっかり交渉しながら信頼関係を構築していく」と決意を述べた。
大会の最後には支持者や、同日の市議選候補者らと共にガンバロー三唱を行った。
仲西氏「健康で安全に暮らしていきたい。ただそれだけ」
仲西氏陣営は市内の長田交差点で総決起大会を行った。知事選に出馬している玉城氏の宜野湾市、北谷町、北中城村、中城村における地区別総決起大会も併催され、街頭には緑のハチマキを巻いてのぼりを手にした支持者らが集結した。
7月の参議院選挙で当選した伊波洋一氏から受け継いだというタスキを掛け、マイクを握った仲西氏。4年前の市長選にも挑戦して落選したが、「この4年間、一市民として過ごしてきましたが、宜野湾を取り巻く環境は何1つ変わっていません」と出馬を決意した理由を説明。「上空を飛ぶ米軍機の騒音は激しさを増し、PFOS(有機フッ素化合物)による地下水の汚染も発覚している。米軍のやりたい放題です、そしてそれを容認する日本政府。本当にこのままでいいのでしょうか」と問い掛けた。
その上で「健康で安全に暮らしていきたい。ただそれだけなのに、これだけの危険にさらされています。異常です。空と水の安全を取り戻していきたい。ぜひ力を貸してください」と支持を訴えた。
目玉政策の一つに掲げる「子どもを核とした街づくり」にも触れ、「高校卒業までの医療費の無料化や、学校給食の無料化を実現してまいります」と強調。9月11日、宜野湾市は市議選も含めて「トリプル選」となることを念頭に「玉城知事の続投に向け、宜野湾市から私もぬち(命)かじり応援します。市町村議員にも力強い応援をお願いします」と力を込めた。
「争点は基地と経済です」と切り出した玉城氏は「対立候補は『玉城デニーは国と対立しているから予算が削られていると声高にいいますが、基地に反対したら生活のための予算が下りてこないのであれば、日本の税金を納めるという仕組みそのものが綻びていると言うしかない。そんなことがまかり通ってはいけません」と強く訴えた。
宜野湾市の真ん中に位置する米軍普天間飛行場については「基地があるが故の犠牲を絶対に子どもや孫たちに押し付けてはいけない。他の2人の候補は県内移設断念とは言っておらず、1人は普天間飛行場を軍民共用にすると言っている。そんなことはまかり通りません。私、そして仲西さんの勝利を確実にしていきましょう」と選挙運動の一層の活発化を呼び掛けた。
最後は集まった議員団や支持者と共にガンバロー三唱を行い、団結を深めた。