沖縄県、対処方針期間を延長 「全数把握」は当面継続
- 2022/8/30
- 新型コロナ・医療
沖縄県は29日、新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開き、オミクロン株「BA・5」の対策強化地域指定に伴う対処方針の期間を9月16日まで延長すると決定した。会議後に会見した玉城デニー知事は、8月中旬以降、感染拡大は弱まっているが、医療は引き続き逼迫(ひっぱく)していると指摘した。患者の詳しい届け出を全員について行う「全数把握」は、継続するとした。
県は、7月21日に県医療非常事態宣言を発出し、8月4日には、国に「BA・5対策強化地域」と位置付けられ、感染防止対策の拡充に取り組んできた。
今後、高齢者施設などで、2週間に1度の定期PCR検査に加え、定期検査に参加していない施設を含めて、抗原定性検査キットを配布し、検査体制を強化するほか、アルコールの提供を伴うイベントの延期を検討するよう求めるなど、取り組みを継続する。
全数把握の見直しについて、玉城知事は会見で「慎重に検討する必要がある。引き続き、情報収集を行いながら、現状の仕組みを継続していく」との考えを示した。
これまで、全数把握をめぐっては、保健所などの負担が大きいとして、自治体の判断で詳細な報告を高齢者や重症化リスクの高い人に限定することができる方針を、国が打ち出してきた。ただ、27日に県が開いた医療界で構成する専門家会議では、出席者から慎重な意見が相次いでいた。
玉城知事は、県医療非常事態宣言が発令中であり、一般医療を含めた救急医療が制限された状態にあることを踏まえ「基本的な感染対策を徹底することやワクチン接種を最新の状態にするなど、今実践できる対策を引き続き実行してほしい」と呼び掛けた。
(記事・写真・図 宮古毎日新聞)