高山医師、県専門家会議の委員辞意 中部病院クラスター公表遅れで

 
県立中部病院

 県の新型コロナウイルス対策について医療関係者が議論する専門家会議委員だった高山義浩中部病院医師が5日、同委員の辞意を表明した。同日に開催された会議の場で、意向を示したという。中部病院で発生した大規模なクラスターの公表が遅れた問題が要因とみられる。

 高山氏は同日、自身のFacebookを更新し、「信頼関係を揺らがせた責任は感じています。とりわけ新興の感染症対策は、住民と行政との信頼関係が何より大切です。これから夏に向けて重要な局面ですので、力を合わせて乗り切っていかなければと思います」と述べた。

 中部病院のクラスターでは、51人が新型コロナに感染して17人が死亡。病院側が6月11日に会見する意向を示す一方で、県病院事業局が公表を思いとどまるようにとも受け止められるメールを病院側に送付し、結果的に6月30日の県議会一般質問で明らかになるまで同クラスターは発表されなかった。

 この過程で、高山医師が県側に「(中部病院の事案は)厚労省の公表すべき基準に合致しない」と助言したことが問題視された。ただ、高山医師は「厚労省の公表すべき基準に合致しない。公表するには基準を明確にすべき」「県保健医療部が速やかに記者会見するのが良い。病院としては、ウェブサイト上で公表するのが良い」とアドバイスしたとしている。

 玉城デニー知事は4日の会見で、公表の遅れについて「責任は私にある」と述べ、県庁内での情報共有のあり方や部局間の連携強化を指示したとしていた。公表が遅れた理由については、情報共有に問題があったと指摘する一方、「公表の基準がなかった」と繰り返し発言した。

今後、県のコロナ対策に影響も

玉城知事の会見に同席して発言する高山医師=3月19日、県庁

 高山医師は、これまで県の新型コロナ対策で重要な役割を果たし、玉城デニー知事の会見にも同席して積極的に発言してきた。沖縄への人流が増える本格的な観光シーズンを控え、同医師の辞任は県にとって打撃となる可能性もある。

 自身のFacebookで、高山医師は「専門家のひとりとして、行政に数多くのアドバイスをしてきて、少なからず棄却され、いくつかは採用されました。採用されて上手くいったこともあれば、採用されずに残念な結果を加速させたこともありました」「アドバイスしたことの一部分しか採用しないで、上手くいかなかった原因として指弾されるようでは、専門家はアドバイスができなくなります」と述べた。

 「良いリーダーの下で仕事させていただいた。私は参謀タイプなので、また良いリーダーと巡り合い、お仕えできることを楽しみにしています」とも語った。

(記事・写真 宮古毎日新聞)

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