知事「責任は私に」 中部病院クラスター公表遅れ問題

 
クラスターの公表遅れを謝罪した玉城知事=4日、県庁

 新型コロナの大規模感染が県立中部病院で発生し、17人が死亡した事案の公表が遅れた問題。玉城デニー知事は4日に会見を開き、「責任は私にある」と述べて謝罪した。同日の拡大幹部会議で、県立病院で発生したクラスターについて情報共有のあり方の見直しや、各部局での連携体制の強化を指示したことも発表した。

 会見で、玉城知事は6月3日に中部病院で13人が感染して30人が隔離されていると報告を受けていたとことも明らかにした。ただ、その時点では「クラスターと判明した時点で発表される」と考え、特に公表するよう指示はしなかったという。

 また、公表基準がなかったほか、県庁内での情報共有に問題があったとの認識も示した。「病院現場も大変だったし、我々も病院からの報告内容を精査するゆとりがなかったことも重なった」とも語った。

知事会見に同席してコメントする謝花副知事=4日、県庁

  同席した謝花喜一郎副知事も、謝罪した上で「限られた時間では情報の共有が十分でなかったと反省している。病院事業局に入った情報を、保健医療部や三役に、クラスターに特化して上げてもらう。迅速な対応ができるような体制を作り、現場を守ることが大事だと考えている」と述べた。

繰り返し「基準がなかった」強調

 会見で、記者団から出た「どのタイミングで公表しようと考えたのか」との質問に、玉城知事は「もともと公表するもの。ただ、基準がなかった。そこをちゃんと作り、改めて反省して改善した」と述べた。

 また、中部病院が6月11日に会見する動きを見せた時点で公表する考えはなかったかとの質問にも「病院側で発表するかどうかは病院側のご意思。発表したいと言ったときに基準がないと。一番大事な部分が整っていなかった」と語った。

 中部病院側が会見の意向を示す一方で、同病院の所属医師が公表基準の必要性を県に助言し、県病院事業局は会見を思いとどまるようにとも受け止められるメールを病院に送った体制についても「きちんと基準を決めてから公表した方が良いということで、先だっても(病院事業局が)会見を開き、考え方を改めて公表したと聞いている」とした。

 病院側と医師が異なる見解だったことについて中部病院内のガバナンスは効いていたのかとの質問には「そこは特段問題なかったと思う。ただ、我々の情報共有のあり方が、県民に不安と心配をお掛けしてしまった」と述べた。

 その上で、「医療の最前線で本当に献身的に頑張っている方々は、日々、一人でも助けたい、救いたいという気持ちで頑張ってらっしゃる思いを、我々が軽く扱ってしまうことは絶対にあってはならないという強い反省も込めて、改めて(各部局に)指示を出した」と強調した。

メールの公表は指示

 同日の会見では、病院事業局が中部病院に送ったメールについて、玉城知事が公表するよう指示していたことも明らかになった。同メールは、2日に病院事業局が行った会見で公表されている。

 メールの中で「メディアも一定コントロールされている」との表現があったことについて、玉城知事は「(病院事業局が会見で)『表現が適切でなかった』とコメントした通り、意図的に情報を表に出さないということではなく、個人情報保護の観点からも、一定程度、漏れてしまわないようにということで、しっかり保護していくという意味合いだったと受け止めている」と述べた。

(記事・写真 宮古毎日新聞)

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