「まん延防止」なしでも独自規制実施へ 沖縄県

 
会見で発言する玉城デニー知事=26日、沖縄県庁

 沖縄県の玉城デニー知事は26日、県庁で会見し、月末が期限となっている国の緊急事態宣言について、仮に「まん延防止等重点措置」とならずに全面解除された場合でも、県独自の規制を実施すると発表した。政府の決定を受けて、28日にも県の方針を正式に決める。

 県内の新規感染者数は、26日時点で71人。8月下旬のピーク時には809人だったことを考えれば、大幅に減少したといえる。病床占有率は県の基準で54.9%、重症者用の病床占有率も38.1%まで低下した。医療関係者からは、医療状況について「一時期より余裕がある」との声も聞かれる。

  玉城知事は、会見で「県内の感染状況は減少傾向にあり、9月末には緊急事態宣言を解除できる状態にあるが、感染防止措置は、ただちに全面解除するのではなく段階的に行う必要があると考えている」と述べた。

 政府は、まん延防止等重点措置を経ずに、沖縄の緊急事態宣言を全面解除するのではないかという見立てがあることから、その場合は県独自の規制を行うとした。その際は、認証を受けた飲食店の営業は午後9時まで(認証店以外は午後8時)、酒類の提供は認証店が午後8時まで(午後7時)となる。協力金は、1日当たり2万5000円となる。

 会見では、記者団から「(医療関係者で構成する)専門家会議では、まん延防止等重点措置を適用すべきという意見で一致していたと思う。なぜ、国に同措置を要請しないのか」という質問が出た。

 玉城知事は、県が7月に沖縄の緊急事態宣言を同措置に引き下げるよう政府に求めたが、宣言が継続になったことを挙げて、「今回は事前に十分、情報共有しながら、より確実に次の手立てを取れるような、そういう方向性で一致して進んでいきたい」と述べた。

「第6波」への備えは?

第5波の評価と、第6波の予測を述べる県政策参与の高山義浩氏=26日、沖縄県庁

 また、会見では、これまでで最悪の感染状況となった7月下旬からの「第5波」について、どう評価するのかという質問も出された。

 これには、県政策参与に就任した県立中部病院医師の高山義浩氏が「第4波が完全に収束しないうちに再流行に入った。本土から移入した部分も重なったほか、若い世代の協力が難しくなってきていた部分もある。医療については、何とか持ちこたえてきたと理解している」と述べた。

 高山氏は、第6波については「今後、再び第6波が来るというのは多くの専門家の共通した認識。冬までの間には来るものという前提で、(ワクチンやPCR検査の履歴により他者を2次感染させるリスクが少ないことを示す)ワクチン検査パッケージや、ワクチン接種の推進などを合わせて、次の流行に備えることが重要だ」と強調した。

(記事・写真 宮古毎日新聞)

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