「まん延防止等重点措置」移行を支持 沖縄県専門家会議
- 2021/9/26
- 新型コロナ・医療
沖縄県は25日、医療従事者で構成する専門家会議と、経済界が参加する経済対策関係団体会議を相次いで開き、新型コロナウイルスへの対応で意見交換したほか、県施策の素案も示した。専門家会議では、緊急事態宣言の「まん延防止等重点措置」への移行を支持することで概ね一致した。
県は、26日に対策本部会議を開き、新たな方針を議論する。緊急事態宣言について「まん延防止等重点措置」への移行を国に求めるかも検討するとみられる。仮に政府が同措置への移行を経ずに緊急事態宣言を解除した場合は、県独自の規制を行う予定という。
県の素案では、まん延防止等重点措置へ移行した場合、全人口の70%以上のワクチン接種率(1回目)を達成した市町村は、新規陽性者数と入院患者数の指標が県全体より多い場合などを除き、同措置の区域外とするとしている。
また、直近1週間の新規陽性者数(人口10万人当たり)が25人未満の場合や、人口10万人当たりの入院患者数が10人未満の場合も、同様に措置区域外とする。
移行後も時短要請は継続
措置区域に指定されたエリアの飲食店は、営業は午後8時まで可能で、感染減少期は認証店舗に限り酒類を午後7時まで提供できるとしている。
一方、区域外では、認証店の営業時間は午後9時まで、それ以外の店舗は午後8時までとする。酒類の提供は、感染減少期は認証店が午後8時まで、それ以外の店舗は午後7時までとなる。専門家会議で、県の糸数公医療技監は「現状では、沖縄本島は措置区域になる可能性が高い。宮古、石垣をどうするかが課題」と述べた。
経済対策関係団体会議では、沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)の下地芳郎会長が、政府が観光再開に向けた実証実験を検討しているとした上で、「次に備えるという意味でも、今のうちに旅行に関する実証実験も必要だと思う。早急に政府サイドとの交渉を始めてほしい」と要望した。
玉城デニー知事は「観光の再開に向けた県の方向性をどう出していくのかも含めて、いわゆる本当の意味でのウィズコロナの旅行をどうするのかを一緒に考えていきたい」と述べた。
PCR検査事前受検、ワクチン2回接種者向けの旅行商品の販売が県内でも始まっているとし、「業界の皆さんとのワーキンググループで、沖縄の旅行を楽しむスタイル、外に出る時のスタイルを議論したい」とも述べた。
一方、別の参加者からは「まん延防止等重点措置の措置区域では、認証店舗しか酒の提供はできないが、沖縄では協力店の3分の1しか認証を受けていない。その他の店舗で、認証を受けずに再開する店舗が多いと思う」との指摘も出た。
これに対しては、糸数医療技監が「引き続き募集をかけて認証を受けてもらう取り組みを行うほか、巡回などで認証されていない店舗の営業を止める指導を行うことを考えている」と述べた。
(記事・写真 宮古毎日新聞)