夜間の強い制限を要望 コロナ対策で県医師会
- 2021/8/19
- 新型コロナ・医療
県医師会の安里哲好会長らは19日、新型コロナウイルスの患者急増を受けて会見し、60代以下の重症化が増えているとして、夜間の活動制限の施策を早期に実施するよう県に求めた。このままでは、医療現場は限界を迎えるとし、「夜間に限り、時間を決めた都市封鎖的な強い取り組みが望まれる」と述べた。
同日、県内の新規感染者数は768人となり、2日連続で過去最多を更新した。1 人の陽性者が何人に感染させるかを示す「実効再生産数」は沖縄本島で1.05まで低下したものの、感染の急拡大で調査が遅れている可能性もあり、今後の展望が見通せない状況が続く。
安里会長らは、「連日700人余の新規感染者が発生すると、限られた病床、限られた医療従事者の中で必要な医療を提供することが不可能になる」と訴えた
医師会よると、17日時点で県内の重点医療機関に入院中の重症者は23人、呼吸不全がある中等症2の患者は331人に上る。重症者のうち約9割は60代以下で、中等症2でも60代以下が8割を占めるという。
県に対して、医師会は▽2週間程度、夜の街を完全に停止させるため、休業補償を確保の上で夜間のタクシー、運転代行の休業、飲酒運転の集中取り締まりの検討▽40代~60代前半の感染と重症化予防のため、ワクチン接種7割以上の早期達成の呼び掛け——などを求めた。
また、県民に向けては「20~50代に中等症が増えている。中等症は大したことがないと思うかもしれないが、肺炎が広がっていて酸素なしでは日常生活が送れない苦しい状態。軽く考えないでほしい」と強調し、正しい理解を呼び掛けた。
「旧盆は同居家族だけで」
感染のピークが見えない中、20日からは旧盆が始まる。医師会では、「デルタ株は相当感染力が強い。1人でも感染者が紛れ込むと、全員が感染してしまう。親族で集まる従来のやり方は、今回だけはご遠慮いただきたい」として、同居家族だけで過ごすよう求めた。
また、市町村に対しては、「今は、非常事態だということをあらためて意識し、住民の健康と命を守るために40、50代を中心に、ワクチン接種を2割増しで加速させてほしい。医療界は、全力でサポートしていく」と強調した。
(記事・写真・図 宮古毎日新聞)