緊急事態宣言解除へ「正念場」 シルバーウイーク迫る
- 2021/9/17
- 新型コロナ・医療
今週末からのシルバーウイークを控えた16日、玉城デニー知事は県庁で会見し、連休中について「できるだけ同居家族と過ごし、家でも外でも集まらないでほしい。県をまたぐ移動や離島との往来も、しないでほしい」などと呼び掛けた。
会見で、玉城知事は、昨年の同連休では新規感染者数が減少から増加に転じたと指摘した上で、「リバウンドを起こしてしまえば、緊急事態宣言の緩和は遠のいてしまう」と危機感をあらわにした。
16日時点で、直近1週間当たりの新規感染者数は県全体で1752人となり、1週間前の7割を下回っている。会見では、記者団から「このままのペースで、シルバーウイークも引き続き感染者数が低下すれば、まん延防止等重点措置への移行を政府に要請することもあるか」との質問も出た。
これに対し、玉城知事は「県民がさらに努力を続けていただければ、そういう方向性も見えてくると思っている」と述べた。
また、現状の減少傾向が続いた場合には、まん延防止等重点措置へ10月中旬ごろまでには移行できるのではないかとの見通しも示し、「今月しっかり、頑張っていただけるかどうかが、(移行を)より早く迎えられるかどうかの瀬戸際にあると思う」と語った。
同日の会見では、糸数公医療技監から県内の感染状況について、患者に占める未成年者の割合が3割を超えるまで上昇する一方で、高齢者の割合は1割を切る状態で推移していることなどの説明もあった。高齢者で先行して進むワクチン接種の効果が出たものとみられる。
緊急事態宣言解除には医療体制考慮
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は8日、緊急事態宣言解除の考え方として、▽病床使用率と重症病床使用率が50%未満▽入院率が改善傾向にあること▽重症者数と中等症者数が継続して減少傾向にあること―などを示した。
現状で、県内では重症者数と中等症者数は減少傾向にあり、国の基準に近い算定方法で出した重症者用病床占有率は57.9%、病床占有率は53.5%となっている。これまで、県内では連休のたびに感染が拡大するということを繰り返してきたことも懸念材料だ。
5月下旬から県内に発令されている緊急事態宣言は、すでに120日近くに及んでいる。沖縄は、宣言から脱することができるかの重要な局面を迎えている。
(記事・写真 宮古毎日新聞)