コロナ危機のなか 知事の東京出張

 
玉城デニー知事(写真 宮古毎日新聞社提供)

 県内の新型コロナウイルスの感染拡大が危機的な状況になっている。26日には新規感染者が302人に達し、直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者では92.88人と、全国平均の3.6倍に達した。この92.88人という数字は、過去に東京都や大阪府で感染がピークに達した時よりも高い。誰もが地元紙の1面に掲載された「人口比 全国過去最悪」との見出しに、厳しい状況を否応がなく認識させられたはずだ。

 27日も新規感染者は240人に上った。前日よりやや減ったとはいえ、それでも県内では過去3番目である。人口10万人当たりの新規感染者は99.67人と100人に迫り、全国最悪の数字をさらに更新した。病床占有率は87.7%と9割近くに達している。

 気を緩めることが全くできない状況だ。県の幹部は、「本島もさることながら、八重山(18人)や宮古(7人)でも新規感染者が多く、病床数を考えれば、今後はかなり危険だ」と話す。

 そんななかである。27日、玉城デニー知事が東京に出張した。来年が復帰50年になるのに向けて、防衛省、外務省、内閣府、そしてアメリカ大使館などを回り、米軍基地の縮小に向けたロードマップを作成するよう求めたという。

 すでに玉城知事は2月に県議会での所信表明で、国土面積の0.6%しかない沖縄県に在日米軍専用施設の7割が集中する現状を踏まえて、「在日米軍専用施設面積の50%以下を目指す」との目標を示しており、今月14日の定例会見でも「日米両政府に基地の整理縮小と新たなロードマップの策定を求めたい」とあらためて述べていた。

 言うまでもなく、米軍基地の整理縮小は県民共通の願いである。2013年4月に発表された、嘉手納以南の統合計画では、嘉手納基地より南の米軍施設・区域1048ヘクタールが返還されるとなっているが、これまでに実現したのは1割にも満たない。それゆえ、玉城知事の要請活動によって基地の整理縮小が少しでも前進するのであれば、東京出張に極めて意義があることは論を俟たない。

 それにしても、この危機である。26日、県議会野党である自民党と公明党、そして赤嶺昇議長が、県の対策本部の新型コロナウイルス感染症対策本部の本部長に副知事もしくはそれ相応の人物が就くよう求める要請書を玉城知事宛に出した。もちろん、県の対策本部の本部長は知事である。今は目の前の危機に対してしっかりと陣頭指揮を執ることが大切なのではないか。

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