緊急事態宣言、5度目の延長
- 2021/9/10
- 新型コロナ・医療
政府は9日、沖縄を含む19都道府県について、新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言の期限を30日まで延長すると決定した。5月23日に発令された沖縄への緊急事態宣言は5度目の延長となり、宣言の適用期間は131日に及ぶことになる。
同日、県は宣言延長を踏まえた対処方針を発表。飲食店などへの休業・時短要請や不要不急の往来自粛など、これまでの対策が継続となったほか、感染増が懸念される今月下旬の「シルバーウイーク」期間中は同居家族で過ごすことも呼び掛けた。
県内の新規感染者数は、8月25日の809人をピークとして減少傾向にある。9月9日の新たな感染者数は2週間前の同じ曜日から約5割減少の336人だった。1人の陽性者が何人に感染させるかを示す「実効再生産数」は沖縄本島で0.69まで低下し、感染者数が減少する目安となる1を下回っている。
一方で、入院患者数はピーク時から約1割減にとどまる638人(9月9日時点)で、高止まりの状況にある。医療が逼迫したため入院ができず、在宅で治療を受けていた患者が病院に収容されているためとみられる。
知事会見に同席した中部病院医師の高山義浩氏も「(入院)病床自体が減っていくのは、もう少し先になる」と述べた。また、気管挿管を行う重症者の病床について「(今日は)1床だけ空いていたが、15分ぐらい前に埋まってしまった」とも強調した。
政府「社会経済活動の正常化へ道筋」
県内で厳しい状況が継続する一方で、菅義偉首相は9日、政府の対策本部で「10月から11月の早い時期には、希望者全員のワクチン接種が完了する。それに向けて、ワクチンの接種証明や、検査の陰性証明を活用し、制限を緩和していく。認証制度を使って、飲食、イベント、旅行などの社会経済活動の正常化の道筋を付けていく」と明言した。
県も、これまで、1日の新規感染者数が100~200人程度まで減少した場合には段階的解除期間に移行して、徐々に規制を緩和するとの方針を示してきた。会見で玉城知事は「今月、どれだけ感染対策を徹底できるかが大きな山だと思う。見通し通りに(段階的)解除ができるかは、そこにかかっていると言っても過言ではない」と述べた。
県内では、何度となく感染状況の「ぶり返し」が続き、県民の自粛疲れが顕著に表れているとも言われる。4カ月以上となった緊急事態宣言をどう終わらせるか、県の発信力が試されている。
(記事・写真・図 宮古毎日新聞)