「4人以下2時間以内」を解除 沖縄県、感染対策認証店で 

 
会見で発言する玉城デニー知事=22日、県庁

 沖縄県の玉城デニー知事は22日、県庁で会見し、会食について求めていた「4人以下・2時間以内」の要請を感染対策認証店では解除する新たな対処方針を発表した。24日からの適用で、県は「医療のひっ迫が懸念される場合には、感染対策を強化する」としている。

 認証店では「4人以下・2時間以内」の要請が撤廃されるのは、子どもから家庭内に感染が広がるなど、飲食や会食に起因するものではない陽性者が沖縄県内で多い現状を踏まえたもの。学校関係の部活動では、これまで自粛するよう求めていた合宿についても、容認するとした。

 県内の新規陽性者数は、これまでで最も多かった5月11日の2702人からは減少したが、直近では下げ止まりの傾向を示している。ただ、5月中旬には6割に迫りつつあったコロナ対応病床の使用率は、22日時点で40.6%と改善した。

 玉城知事は、「県内の感染状況は、第7波のピーク時に比べると一定程度改善している。夏場の再流行を迎える前に、対処方針を見直す時期だろうと考えた」と語った。

 県の糸数公保健医療部長は、記者団に対して「(感染者で若年層が多い)今と同じ感染状況が続いて、入院患者が増えていかないのであれば飲食への要請を解除していく(との判断になった)」と説明した。

 ただ、感染者が急増して医療がひっ迫し、飲食に起因するとみられる20代や30代の感染者数が増えたり、大規模な会食によるクラスター(感染者集団)が発生したりした場合には、再び要請を強化することも考えらえるとした。

 県内では、コロナ対応の病床使用率は低下したが、コロナ以外の病床使用率は95.0%と高くなっているほか、県内の主な重点医療機関で休業している医療関係者も380人で、一時期より減少したものの多数に上る。

 糸数部長は、医療ひっ迫の判断について、今後はコロナ対応の病床使用率だけでなく、職員の休業や、非コロナ病床のひっ迫も視野に入れて対策を講じていくことになるとの見通しを示した。

 県が行った「4人以下・2時間以内」の解除は、夏に向けた本格的な観光シーズンを前に、飲食店に配慮した形といえる。経済を回しながら感染をいかに抑えるかの模索が続く沖縄県。医療状況がひっ迫に転じた場合、素早い対応ができるかも問われている。

(記事・写真・図 宮古毎日新聞)


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