「まん防」対象に宮古島市を追加 「緊急事態宣言」に踏み込まず

 

 玉城デニー知事は22日、県庁で会見し、新型コロナウイルスの「まん延防止等重点措置」の対象区域に宮古島市を追加すると発表した。同日に開催した対策本部会議で決定した。県内で、同措置の対象区域は沖縄本島9市と宮古島市の10市となった。

 宮古島市では、1月下旬に感染が爆発的に拡大。いったんは感染が収まったものの、4月10日~22日の感染者数が90人を超えるなど、4月中旬以降で陽性者が再び急激に増加している。

 同市では、直近1週間の新規感染者数(人口10万人当たり)が129.98人となり、全国3位の沖縄県平均(51.68人)の2倍以上、全国で最も多い大阪府(89.73人)の1.4倍と深刻な状況で、感染力が強い「N501Y」変異株3例も確認された。

 県は、これまで「国との調整が必要」などとして、同措置の対象区域に宮古島市を追加することに消極的な姿勢を示してきた。ただ、宮古地区で感染拡大に歯止めが掛からない状況や、同日に市からの正式な要請があったことを受け、追加指定に舵を切った。

緊急事態宣言は要請せず

 一方、同日の対策本部会議では、政府に対する緊急事態宣言の要請には踏み切らなかった。政府は東京都や大阪府などに緊急事態宣言を出す方針で、沖縄県も宣言発出を求めるのではないかと注目されたため、会見では記者団からの質問が相次いだ。

 これに対し、玉城知事は1人の陽性者が何人に感染させたかを示す「実効再生産数」が1を下回ったと指摘。宮古島市では感染が拡大しているものの、県全体では「感染急拡大にはブレーキが掛かってきた」との認識を示した。

 また、政府が23日に東京都や大阪府への緊急事態宣言を決定することを考慮すると、県の決断に時間的余裕がないことも挙げ、「緊急事態宣言は、まん延防止等重点措置より非常に重たいものになる。業界の方々や、感染症専門家の方々とも齟齬がないようにしっかりと状況の確認なども行っていくことも含め、時間が欲しい」と述べた。

変異株の増加を懸念

 沖縄本島地区での感染が減少傾向にあるようにも見える中、県などが危惧しているのは感染力の強い「N501Y型」変異株が増加するとみられている点だ。直近で同変異株の検出率は県内で25.5%にとどまるが、国の専門家は5月にも県内の感染が同変異株に置き換わると推定している。

 大阪府は、同変異株の割合が増えるにしたがって感染が拡大しており、今後は県内でも置き換わりとともに感染者が再び増加に転ずる可能性がある。新型コロナ対応病床の占有率が22日時点で97.2%となるなど現状でも苦しい医療体制が、さらに厳しくなることも予測される。

 県立中部病院医師の高山義浩氏は22日、自身のFacebookで「(仮に)変異株への置き換わりよる再流行に直面しなかったとしても、入院患者数が減少に転ずるのは今月末で、全県的に医療ひっ迫に直面する。変異株への置き換わりも進んでおり、まさにギリギリの状態」と窮状を訴えた。感染拡大を防止するため、国や県の手腕が問われている。

(記事・ 写真・図 宮古毎日新聞)

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