「まん延防止」解除に賛成する意見多数 沖縄の経済・医療界
- 2022/2/14
- 新型コロナ・医療
沖縄県は13日、経済界から意見を聞く「経済対策関係団体会議」と、医療従事者で構成する専門家会議を相次いで開催し、20日が期限となっている「まん延防止等重点措置」について意見を聞いた。経済界からは、同措置を延長せずに解除するよう求める声が相次いだほか、医療従事者も解除に賛成する意見が多数を占めた。
県内では、1月に入りオミクロン株の感染拡大で新規感染者数が大幅に拡大し、1月9日から同措置が適用された。当初は1月末までが期限だったが、その後は2月20日まで延長されている。一方、県内の新規感染者数は1月15日の1829人をピークに減少傾向にあるものの、減り幅が徐々に縮小する傾向も見られている。
経済対策関係団体会議では、参加者から「感染者の減少幅が小さくなって気にしているが、デルタ株からオミクロン株に変わって局面が変わっている。医療界が大変なことも承知しているが、春先の観光を含めて経済を回す準備をしていかないと、さらにダメージを受ける。ぜひ、20日の解除を検討してほしい」との意見が出た。
また、官民一体で観光振興に取り組む沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)の下地芳郎会長は、「高齢者や10歳未満に、感染者のターゲットがある程度見えている。こういった所に重点的に対策を行い、いったん20日で解除してほしい」と述べた。
下地会長は「ずっと守りの対策になっている。観光業界も非常に疲弊しており、一定の条件付きであっても県内旅行を促進し、感染対策をしっかり行いながら旅行もできるという『沖縄モデル』を作っていくことが求められる」とも強調した。別の参加者からは、ワクチン接種の促進を求める声も挙がった。
専門家会議でも、医療従事者から「(まん延防止措置を)続けても効果が出る局面ではない。飲食店に対して制限をかけていくことが今、有効かと言われると有効ではない。ただ、ここから新規感染者数が増える場合には、再度、措置を強化する必要がある」との意見が出た。
また、「3月中旬ごろから感染者が増えると思うが、それはそれで対応すれば良い。その間、経済界の方にも一服してもらう意味で良いと思う。ワクチン接種が、これから増えることも好材料だ」などの声も挙がった。
一方、「解除して良いと思うが、解除は『賭け』だ」と話す出席者もいたほか、「賭けに勝てる要素が見当たらない」として解除に反対する医療従事者もあった。同会議の座長を務める藤田次郎琉球大学大学院教授は、会議のまとめで「いったん解除して良いという意見が8人、慎重論が1人だった」と述べた。
ただ、藤田座長は「国は病床使用率(県全体で52.0%)を見て、まだ(解除は)早いと言うのではないかという気もする」との見方も示した。県は15日、同措置について国に求める内容を決める方針で、それを踏まえた上で国が解除の可否を決定する。県や国の判断が注目される。
(記事・写真・図 宮古毎日新聞)