コロナ感染拡大注意報、沖縄本島北部5町村に発出
- 2021/12/22
- 新型コロナ・医療
沖縄県の玉城デニー知事は21日、新型コロナウイルスで直近1週間の新規陽性者(人口10万人当たり)が25.78人となった沖縄本島北部の5町村に「コロナ感染拡大注意報」を発出すると発表した。また、在沖米軍基地内での大規模な感染について、日米両政府に基地内での変異株スクリーニング実施体制の早期構築など5項目を申し入れたことも明らかにした。
注意報は国頭村、大宜味村、東村、今帰仁村、本部町が対象で、混雑した場所への外出や夜間の会食は控え、会食の際は4人以下2時間以内の実施、体調不良時は出勤・登校を控えることなどを求める。県は、北部地区での感染はデルタ株の流行によるものと分析している。
米軍キャンプ・ハンセンでの大規模感染207人に
同日は、米軍キャンプ・ハンセンで発生している大規模な感染について、累計で207人が陽性と判断されたことも明らかになった。これまで、同感染ではゲノム解析が行われていないためオミクロン株によるものかは分かっていないが、県は同基地内でオミクロン株の感染が広がっているおそれがあるとみている。
これまで、県内でオミクロン株の感染が確認されたのは4人で、いずれも同基地の関係者。県は、濃厚接触者の調査などを進めている。また、日米両政府に対して▽感染収束まで米本国等から沖縄への軍人、軍属の異動停止▽キャンプ・ハンセンに勤務する全ての軍人、軍属に対するPCR検査▽キャンプ・ハンセンに勤務する全ての軍人、軍属の基地外への外出禁止▽基地内で変異株スクリーニングができる体制の早急な構築―などを要請した。
県の糸数公医療技監は、オミクロン株感染等の状況について「何とか調査し感染が濃厚な人の周りを封じ込めている。これが増えていくと調査から漏れて市中感染となり、あっという間に本島全体や離島に広がることが懸念される」との認識を示した。
さらに、「軽症が多いという報道等もあるが、高齢者がかかると重症化し命に係わる場合もある。高齢者施設のワクチン(3回目)接種が始まる前に拡大すると大きな影響が懸念される」と述べ、県民に感染対策の徹底や、忘年会の回数を減らすなど人と接触する機会を作らずリスクを下げるよう呼び掛けた。
(記事・写真 宮古毎日新聞)