コロナ感染者が急増 過去最多更新の602人
- 2021/8/5
- 新型コロナ・医療
県は4日、新型コロナウイルスで、過去最多を更新する602人が感染したと発表した。県内では感染者が急増しており、直近1週間のうち4日間は過去最多となっている。玉城デニー知事は、会見で「県内では外出すると、誰でもどこででも感染するリスクがある」と強調した。
これまで、県内には4回にわたる感染の「波」が訪れた。最も大きなものはゴールデンウイーク後の第4波で、ピーク時の新規感染者数は5月29日の335人。感染拡大が続く今回の第5波は、その1.8倍の感染者数に達した。
さらに、県の推計では、今週の新規感染者数は4500~6000人と予測されるという。1日当たりでは約640~860人に上り、かつて経験したことのない感染拡大が県内を覆うことになる。
感染者の増加に伴い、入院中や宿泊施設療養中、自宅療養中、入院等調整中の陽性者を合わせた「療養者数」も急増している。8月4日時点は、過去最多の3497人に達した。入院患者数も557人となった。
現状で重症者数(県基準)は7人にとどまるが、県の糸数公医療技監は「今はまだ(医療体制が)逼迫ではないが、このまま1週間いくと、かなり逼迫する状況」と述べた。その場合に備え、県は入院に対する基準が必要かを医療関係者で構成する専門家会議で意見を聞く方針という。
第5波の特徴は、20代~40代という比較的若い世代、10歳未満や10代の感染割合が高いことにある。7月26日~8月1日の感染者数を年代別に見ると、20代~40代が59.9%、10歳未満と10代が21.1%で、合計すると8割を占める。
一方で、ワクチン接種が進む70代以上の高齢者は、感染者のうち6.0%にとどまる。市町村の比較でも、ワクチン接種率が高いほど感染者数が抑えられる傾向があるといい、ワクチンの有効性が実証された形だ。
県、「アストラゼネカ製ワクチンのニーズない」
4日の会見では、緊急事態宣言が発令されている沖縄を含む6都府県に対して、国が優先配分を表明しているアストラゼネカ製ワクチンについての質問も出た。
これに対し、玉城知事は「アストラゼネカ製のワクチンは最大の効果を得るためには8週間以上の間隔を置いて接種することが奨励されており、結果としてファイザーやモデルナの方が、接種完了が早くなることが見込まれる」と述べた。
また、「原則として40歳以上が対象となることから、接種会場での運用が複雑になる。国の承認がなされていない県内の31職域接種申請事業者に照会したが、現状では希望者がなくニーズが見られない」として活用に慎重な姿勢を示した。
ただ、「ファイザーとモデルナ双方のワクチンが使えない症状のある方には、有効だと言われているので、県内もいくらかの量は送られてくるだろうと思う」とした。
(記事・写真・図 宮古毎日新聞)