もはや異次元の感染拡大 沖縄のコロナ
- 2021/8/8
- 新型コロナ・医療
沖縄県内の新型コロナウイルス感染拡大に歯止めがかからない。感染力の強い「デルタ株」が猛威をふるい、これまでより速いスピードで感染拡大に拍車をかけている。高齢者へのワクチン接種が進んだ効果はみられる一方、若者を中心に感染が増加。緊急事態宣言などの強い措置を講じることで感染者数が減少した第4波までと比べ、現在の第5波は宣言のさなかに感染が拡大し続けており、異次元の様相を呈している。
デルタ株、8割が置き換わり
「ワクチン接種が進めば先に光が見えてくると思っていたが、トンネルはまだまだ長かった。1日500人台の感染が出ても驚かなくなってしまうとは」―。拡大し続ける感染状況に、県庁の関係者はこう嘆息した。
沖縄県内の感染者数は7月20日に約1か月半ぶりに100人を超え、25日に200人、27日に300人、31日に初めて400人を突破した。8月4日には500人台を飛び越えて602人となり、5日に過去最多の648人を記録。6~8日も500人台の感染者が確認されている。わずか3週間前には想定しえなかった展開が訪れている。
8月7日までの1週間で人口10万人あたりの新規感染者数は、233.47人。200人を上回ったのは全国でも沖縄県だけで、五輪が開催されていた東京都の195.05人を大きく上回り、全国ワーストが続く。
新たな感染急拡大のファクターとなっているのが、デルタ株の蔓延だ。沖縄県内でデルタ株への感染者が初確認されたのは6月24日のことだった。県の資料によると、検査にかけた新型コロナ感染者の検体のうち、デルタ株が見つかった割合は当初2~3%だったが、7月19日の週に33.6%、26日の週に56.6%となり、8月2日の週は78.91%まで上昇した。県内各地で置き換わりが進み、これと軌を一にするように、1日の感染者数が爆発的に増加している。
現在の第5波では本島中部で感染者が多く確認されているという特徴がある。中部だけのデルタ株の割合でみると8月2日の週は89.4%と、ほぼ9割が置き換わった状況になっている。