八重山地域に「コロナ感染拡大警報」

 
八重山地区へのコロナ感染拡大警報発出について説明する玉城デニー知事=9日、県庁

 沖縄県の玉城デニー知事は9日、新型コロナウイルスの感染者が増加傾向にあり、医療のひっ迫が懸念されるとして、八重山地域(石垣市、竹富町、与那国町)に「コロナ感染拡大警報」を発出すると発表した。新型コロナに関する注意報や警報などの呼び掛けがされるのは、沖縄の「まん延防止等重点措置」が2月20日までで解除されて以降、初めてとなる。

 県内では、1月に入ってオミクロン株による感染が急拡大し、その後は徐々に減少したものの感染者数が高止まりしている。こうしたなか、八重山地域では医療機関でクラスター(感染者集団)が発生し、国基準の病床使用率が一時期は9割を超えたほか、直近1週間の新規陽性者数が前週比2倍となった日も出ていた。

 これまで、県は地区別で▽病床使用率が60%、▽直近1週間の新規陽性者数が前週比2倍―となった場合には、まん延防止等重点措置を再要請するとしてきた。ただ、現状で八重山地域の病床使用率が6割を下回ったこと、高齢者へのワクチン接種率(6日時点77.68%)が県内で最も進んでいることなどから、同措置の適用は見送って「警報」の発出となったという。

 

県全体の病床使用率37.7%

 県内での感染者が高止まりする一方、県全体の病床使用率は9日時点で37.7%と抑えられている。これについて、県では「介護現場などでの感染予防対策により高齢者の陽性者数が抑えられていることや、ワクチンの3回目接種が進んでいることが要因」と分析した。 

 玉城知事は、県内の感染状況について、子供と親世代で感染が多いとして「症状がある時は学校を休む、友達と会うことを控える」など感染拡大を防ぐ行動を呼び掛けた。換気の悪い部屋でゲームを避けるなど、密集しないように大人や家族が配慮することも求めた。

(記事・写真・図 宮古毎日新聞)


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