やんばるラブストーリーは突然に 沖縄北部にある恋愛スポット

 
許田の集落内にひっそりと佇む「手水」

 沖縄には恋愛成就や縁結びを祈願するスポットがいくつかあるが、県北部の名護市にも世間にあまり知られていないラブロマンスにまつわる見所がある。
 良い出会いに恵まれない、最近夫婦仲・カップル仲がギクシャクしてしまっているという方にお勧めのスポットだ。北部ドライブをしながら訪れてみてはいかがだろう。

男女を結んだ「手水」

 沖縄自動車道最北のインターチェンジは名護市許田だ。許田の集落内には古くから「手水」と呼ばれている湧き水があり、現在でも綺麗な水がコンコンと湧き出ている。

 組踊の人気演目『手水の縁』が広く知られているので、なんとなく手水という言葉は耳にしたことがあるという人も多いかもしれない。組踊では唯一の恋愛もので、琉球国きっての和文学者と称される平敷屋朝敏の代表作だ。

 『手水の縁』は平敷屋朝敏によって脚色され、舞台が瀬長島になっているほか内容にも大幅な創作が加えられているのだが、実はこの許田の「手水」に伝わる昔話がオリジナルストーリーなのである。

瀬長島にある『手水の縁』の碑

 内容はこうだ。

 その昔、名護の許田にたいへん美しい娘がいた。ある日娘が泉で水を汲んでいたところ、首里の侍が通りかかり娘に水を一口飲ませてくださいとお願いした。

 娘は柄杓を用いて水を渡そうとしたが、侍は「ぜひあなたの手で水を汲んで飲ませて欲しい」と伝えた。娘は会ったばかりの人に対してそんな事はできないと断ったものの何度も懇願され、当時の身分的な立場のこともあってかついには観念し、手で水をすくい飲ませたという。

湧き出る水が男女を引き付けた

 侍は娘のその仕草と美しさに惚れ込んでしまい、首里に帰っても娘のことが忘れられず、ついには首里に呼び寄せ妻として娶り幸せに暮らしたという話だ。

 この昔話から泉がいつしか手水と呼ばれるようになり、恋愛成就や縁結び祈願に訪れる人が増え『手水の縁』の誕生へと繋がったという。

 現在は国道58号線許田交差点に橋が架かり許田集落まで迂回せずとも川を渡れるようになったが、昔は深い入り江をグルっと回ることでしか南北の行き来が出来なかった。そんな風光明媚な入り江を前にした場所に手水はあって、かつては多くの旅人の憩いの場となり喉の渇きを潤していたことだろう。

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